第46回親と子のふれあい写生大会入賞作品
4年ぶりに園内での作品制作が可能になり、期間中に243点の作品が提出されました。たくさんの方にご参加いただきありがとうございました!
園長ごあいさつ
今年で46回目を迎えた大森山動物園の写生大会、動物園50年の歴史と重ねてみると、改めて本大会の意義の大きさ、果してきた役割の大きさを感じます。写生大会はサマースクールと共に大森山動物園の2大教育活動として回を重ねてきました。動物と向き合い、自身の心の中で感じた動物、生命を描く体験は、子どもたちの心をきっと豊かにしてくれるものと思います。
今年は新型コロナウイルス感染症からも解放された大会が期待されていましたが、夏休み前の画用紙配布開始日の7月15日、秋田は猛烈な大雨災害に襲われ、大会を開催してもどれほどの参加があるのだろうか心配しました。しかし、結果的に243点もの力作の出品がありました。この大会への子どもたち、親御さんの思いの強さを感じました。懸命に絵を描いて下さった皆さん、本当にありがとうございます。
今大会は開園50周年の年にあたることから2月開催の実行委員会ではこれを記念し特別なテーマ「未来の動物園を描こう」を設定いたしました。実物と向き合い描く写生と想像世界を重ねて描くことはどこか異なる部分もあり、難しいテーマになり心配しましたが、出品全作を拝見し、子どもたちの自由な発想、大人たちの動物と動物園に向けた想いが伝わる作品には驚かされました。
子どもは動物園の世界で動物ともっと身近に向き合いたい、こんな動物が大森山にいたらこんな風景だろうなと夢を膨らませていたようで、もっと動物とフレンドリーな関係でいたいという願望を自由なタッチで描いていたのが印象的でした。大人の方の出品では生命の尊さ、子どもたちに忘れてほしくない大事な愛情を動物に重ね、あるいは大森山動物園が取り組んでいる活動がより広がりを見せてほしい、豊かな発想で展開してほしいというメッセージが込められていたようです。テーマ「未来の動物園を描こう」は来園者の皆さんの大森山動物園に期待する気持ちを知る機会でもありました。大いに刺激を受けることができました。どの作品も本当に素晴らしく、新たな感動をいただきました。ありがとうございました。本大会は、普段何気なく見ている動物や動物園に抱く自身の内面と向き合う貴重な体験であったのかもしれませんね。
結びになりますが、この大会開催にご尽力いただいた様々な方に心より感謝申し上げます。特に共催者として作品審査にあたっていただいた秋田市造形教育研究会の菊地会長はじめ諸先生方、またテレビ広報等でご尽力いただいたAKT秋田テレビ株式会社様、さらにスポンサーとしてご支援いただいた秋田県Honda Cars様に厚く御礼申し上げます。
また新屋ガラス工房様には今年も上位入賞者にガラスの「オモリントロフィー」をご提供いただきまして、本当にありがとうございました。
親と子のふれあい写生大会実行委員会を代表して
秋田市大森山動物園~あきぎんオモリンの森~ 園長 小松 守
入賞作品
秋田市造形教育研究会会員(秋田市の美術教員)によって選出された42点をご紹介します。
- 秋田市長賞から秋田銀行賞までの上位13点は、作品画像と上記研究会による作品講評を掲載しています。また、9月上旬から大屋根広場(入園ゲート入ってすぐ)にパネルを展示しますので、ご来園の際はぜひご覧ください。
- ぺんてる賞・アニパ賞・あきた教材賞は、作品画像を掲載しています。
- 自販機キャンバス賞は作品画像の掲載はありませんが、園内の自動販売機に1年間掲示します。
総講評(秋田市造形教育研究会)
画用紙の受け取り期間がこのたびの大雨災害の時期と重なり、出品にも影響したものと思います。そのような大変な状況の中で243点の応募があったことは、誠に喜ばしいかぎりで、この写生大会への期待の大きさを感じることができました。
今回は「未来の動物園を描こう」というテーマであり、単なる写生とは異なり、豊かな発想力を必要とする難しいテーマでしたが、出品した皆さんの創意工夫があふれる力作がたくさんありました。
小学生以下の作品には、大好きな動物に乗ったり、パーティーをして動物と一緒に遊ぶ夢のある作品が多く審査する側の心も明るく、温かくなりました。
中学生や大人の方の作品には、絶滅した動物がよみがえったり精密なロボットの動物が登場したりと、予想以上の発想に驚かされました。
作品制作にあたっては、色彩面において、動物の固有色を出すために、混色や重色の工夫が見られたり、クレヨンやパステルなどの用具を上手に使って効果的に表しており、その点でも工夫があり、見ごたえのある作品が数多くありました。
大人の方の作品のコメントに「これからも子供達に生命の温もりや大切さを感じさせてくれる動物園であってほしい」とありましたが、今回の応募作品からは、出品した皆さんの生命を大切にする心や、子供たちの心の温かさが存分に感じることができました。
これからもこの写生大会では生き物たちの命の尊さを感じながら作品を描いてほしいと思います。
受賞名:秋田市長賞
- 受賞者名(学年)
- 鈴木 結翔(小学6年)
- 作品タイトル
- こんな近くで見れたらいいな
- 講評
- 「未来の動物園を描こう」という写生大会のテーマを考えて、現実ではこれほど近くで見ることのできないイヌワシの姿を描いています。もっと間近で迫力のある姿を見たいという願いが頭部の白い羽根の重なりを複雑な色の影や線で工夫して表現しています。描き手に向かってくる正面向きの大きな口やかぎ爪、宝石のように輝く目の力強さ、激しいタッチで描かれた黒い羽毛。画面に収まりきらないイヌワシの入り方すべてに緊張感と大胆さがありながら、細部にほどこされたハイライトや重なる色の数の多さに、イヌワシへの思いが余すところなく表現されていて、見る人に力強く伝わってきて魅力的です。
受賞名:秋田市議会議長賞
- 受賞者名(年齢)
- 古谷 衣知夏(4歳)
- 作品タイトル
- 「ミラクルにんじん」ジャンプ!
- 講評
- ウサギのいきいきとした表情がよく表れています。ウサギの大好物のにんじんが栄養満点で、空までジャンプできるすてきで明るい世界がのびのびと描かれています。楽しく想像し、きれいな色で工夫して、さわやかさが光る作品に仕上がりました。
受賞名:秋田市教育長賞
- 受賞者名(学年)
- 髙橋 悠(小学4年)
- 作品タイトル
- みんなでエサやり モグモグタイム
- 作品講評
- ワニのどっしりとした力強さ、歯のするどさや、生き生きとした表情が印象的です。色使いや模様の違いで、種類の違うワニをていねいに描き分けましたね。たくさんの種類のワニを間近で見ながら、エサやり体験ができたら・・・。想像するだけでワクワクしますね。
受賞名:開園50周年記念賞
- 受賞者名(学年)
- 森屋 杏香(小学3年)
- 作品タイトル
- 自然あふれる動物園
- 作品講評
- どの動物も大好きで、いつか花屋になって一緒にお祝いしたいという思いが伝わってくる作品です。大森山の緑いっぱいの中で、それぞれ動物が豊かな生活をしている様子が画用紙いっぱいに描かれています。動物園に来た人たちもほっこりした気持ちになっているのが表現されています。何度も動物園にきて動物に会いたいなと思えてきます。
受賞名:秋田公立美術大学長賞
- 受賞者名(学年)
- 吉野 統也(小学1年)
- 作品タイトル
- とら
- 作品講評
- 大好きなとらを画面いっぱいに上手におさめて描くことができましたね。クレヨンの色づかいも、黄色や茶色系統を中心によく考えて着色しています。一見怖そうでも、仕草や表情に可愛らしさも感じられるとらになりました。
受賞名:大森山動物園長賞
- 受賞者名(学年)
- 髙𣘺 香緒(中学1年)
- 作品タイトル
- Animaloop
- 作品講評
- ベニコンゴウインコの視線の先にたくさんの動物たちと観覧車を配置した構図が、鑑賞者の目を引く作品です。たくさんの動物たちのいる大森山動物園の未来の姿に向かって、前向きに進んでいこうという気持ちが、ベニコンゴウインコの力強い羽ばたきからも伝わります。「ANIPA」のレタリングや動物の足元など、細部まで丁寧に描くことができていますね。
- 受賞者名(学年)
- 工藤 千夏(小学3年)
- 作品タイトル
- 動物たちとおもの川の花火が見たいな
- 作品講評
- 動物たちと夜空を見上げ、まるで明るい未来を夢見ているようにも感じられるあたたかみのある作品に仕上がりました。体の大きい動物たちを画面の外側に配置するなど、構図にも工夫が見られます。動物たちと同じ感動を共有する日が来るとよいですね。
- 受賞者名(学年)
- 嶋田 陽菜子(小学4年)
- 作品タイトル
- オモリンのロープウェー
- 作品講評
- キリンの様子を正面から捉えるのは難しかったと思いますが、色や形をよく観察して描かれていますね。一生懸命に描かれたキリンが、なんだかこちらを見て笑っているようにも見てとれます。淡い水色の背景に、黄色と黄緑色のグラデーションで描かれたオモリンのロープウェーがよく映えます。そのロープウェーから見える景色、ぜひ見てみたいですね。
受賞名:秋田市造形教育研究会長賞
- 受賞者名(学年)
- 吉澤 胡子(小学6年)
- 作品タイトル
- 未来を映す瞳
- 作品講評
-
真っすぐにこちらを見つめるキリン。その瞳は、まるでオパール(宝石)のようにキラキラと光り輝き、未来を映している。「未来を見ているような眼差しを強調したところがポイント」と作者が解説しているが、まさに見るものを魅了するキリンの瞳である。繊細なタッチで描かれたキリンの瞳や毛なみ、模様、そして穏やかな表情、ダイナミックな構図と様々な表現技法で描かれた背景・・・。この一枚の絵を見つめているだけで幻想世界に吸い込まれそうである。
受賞名:AKT秋田テレビ賞
-
受賞者名(学年)
-
小野 和明(小学4年)
- 作品タイトル
- ジョヤサ!!
- 作品講評
- 和明さんの大好きな土崎港曳山まつりを、動物も人間も一緒になって盛り上げたいという思いが伝わってきます。秋田犬のかわいらしい表情やサル山の曳山の力強さが心に残ります。秋田県ならではのすてきな作品に仕上がっていて、県民の心を勇気づけますね。
- 受賞者名(学年)
- 伊藤 未心(小学5年)
- 作品タイトル
- あこがれるのをやめられない
- 作品講評
- フクロテナガザルの特徴をよく観察して丁寧に表現しています。マイケル・ジャクソンにあこがれるフクロテナガザル。その様子が、ハットをかぶり、ポーズを決める姿やきらびやかなステージを想像させる背景から伝わってきます。発想がすばらしく、見ている人を自然と笑顔にする楽しい作品となっています。人と動物が同じようにあこがれる気持ちを持つことができる。とてもいい未来です。
- 受賞者名
-
平川 かな子(一般)
- 作品タイトル
- 大森山動物農園
- 作品講評
-
ちょっと眠そうなキリンの表情に癒されます。自給自足の動物園は、動物と植物、人間との関わりについて学べる場になりそうです。平和な農園の中で、畑の畝ごとに様々な作物が植えられていたり、カラフルな野菜が入った箱が並べられていたりと、描く人が楽しみながら細々と描き込んでいる様子もほほえましい作品です。
受賞名:秋田銀行賞
- 受賞者名
- 皆川 鮎子(一般)
- 作品タイトル
- 母と仔
- 作品講評
- 母と仔が寄り添う姿が丁寧に描かれています。仔に顔を寄せる母のポーズや、安心した仔の表情から、親子の互いへの信頼感が伝わってきます。背景の黄色やオレンジ色からは、生命の温かさが感じられます。二頭の体にも黄色や青色を使い、毛なみをリズムよく描き込んでいます。親子のほほえましい姿が印象的な作品です。
受賞名:ぺんてる賞
- 受賞者名(学年)
- 池上 桜花(小学6年)
- 作品タイトル
- ペンギンといっしょに泳ぎたいな
- 受賞者名(学年)
- 相原 ひなた(小学5年)
- 作品タイトル
- 虹色に輝く鳥
- 受賞者名(学年)
- 中戸川 煌(小学1年)
- 作品タイトル
- うみのうえをあるくぞう
受賞名:アニパ賞
- 受賞者名(年齢)
- 齊藤 碧唯(4歳)
- 作品タイトル
- カラフルライオン
- 受賞者名(学年)
- 武藤 丈留(小学2年)
- 作品タイトル
- やってきたオオカミ大王
受賞名:あきた教材賞
- 受賞者名(学年)
- 髙田 晄太朗(中学1年)
- 作品タイトル
- Elephant Neo
- 受賞者名(学年)
- 桐生 恭太(小学5年)
- 作品タイトル
- 絶滅から守ろう
- 受賞者名(学年)
- 水澤 千晴(小学2年)
- 作品タイトル
- 行こう!うちゅうでフラミンゴ
受賞名:自販機キャンバス賞
受賞者名 |
学年など | 作品タイトル |
---|---|---|
塚田 悠生 | 中学2年 | 不死鳥 |
佐藤 菫 | 小学3年 | よみがえっただいすけ |
藤井 陽茉莉 | 中学1年 | 百獣の王、咆哮 |
川田 あかり | 小学1年 | 虹色インコ |
櫻庭 美月 | 小学2年 | だれがはやいかきょうそうだ!! |
皆川 虎徹 | 小学1年 | 星空の動物園 |
吉田 真桜 | 小学1年 | 大森山で動物とピクニックをしよう |
大友 悦子 | 一般 | 共存 |
土佐 紬 | 一般 | ステラ-のなかまたち |
岸 瑛 | 小学2年 | くもの上のどうぶつえん |
佐藤 拓実 | 2歳 | おさかなさんもきたよ! |
舟木 弦 | 5歳 | ぞうさんかんらんしゃ |
舟木 佑 | 5歳 | 王さまキリンゾウ |
石澤 忠久 | 小学1年 | ゴリラのもりであそぼう! |
加島 太陽 | 小学2年 | 大森山動物園大運動会 |
齋藤 歩 | 小学6年 | すべり台で1周!! |
大河内 一花 | 小学5年 | 七夕の夜のレッサーパンダ |
佐藤 瑠美 | 小学4年 | サイ登場 |
大竹 晄央 | 小学3年 | ゴリラVSカンガルームキムキ決定戦 |
小松 芭瑠 | 小学3年 | みんなでやろうわたしたちのかんとう |
阿部 光莉 | 小学2年 | 海のなかまたちが大しゅうごう |
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