旧県立美術館の利活用の検討について(平成29年度の取組)
市では、旧県立美術館(旧県美)について、周辺の景観と調和し、長年市民に親しまれてきた外観や文化的価値を、中心市街地のまちづくりに生かしたいと考えています。
平成29年度に実施した旧県立美術館利活用調査を踏まえて、平成30年度は改修設計および運営管理計画の作成を進めます。今後は、県から譲与を受け、平成31年度から改修工事を始め、平成32年度に新たな施設としてオープンすることを目指します。
新たな施設の概要
名称
「(仮称)秋田市文化創造交流館」 注:名称は、運営管理計画を踏まえて今後検討します。
設置目的
「芸術文化によるまちおこし」のさらなる推進を図り、市民の文化力と文化の持つ創造性を生かして、新たなまちの魅力とにぎわいを創出し、市民が愛着と誇りをもつまちを目指すための施設とします。
具体的には、文化・芸術・歴史をテーマとする創造・交流・活躍の場として、公開と体験により、新たな交流と活動を生み出す施設とします。
施設の特徴
- コーディネーターの配置や市民企画会議(市民WS)と連携した運営などにより、新たな企画や活動を実施します。
- 長期間の創作と公開、記録保存と発信など、他の施設では対応していない利用形態とします。
- 千秋公園と連携した歴史案内や市街地への回遊など、芸術文化ゾーンにおける連携事業を展開します。
基本目標
利活用調査を踏まえ、文化をキーワードとした将来のまちづくりを視野に、相互に関連する四つの目標を設定します。
- まち全体の文化力を涵養
- 未来の地域社会に向けた感性を創造
- 新たなまちの魅力とにぎわいを創出
- 市民のまちへの愛着と誇りを醸成
活用コンセプト
成長戦略の重点プログラム「芸術文化によるまちおこし」のさらなる推進を図るため、貴重な地域資源である旧県立美術館を活用します。
旧県立美術館の「場所の力」を生かし、過去と現在、まちに積み重なる時間の層(時層)とまちのつながり(回遊)を拠り所としながら、芸術文化ゾーンにおける「歴史・学び」の動線を強化・充実させるとともに、「創造」「交流」「活動」の場として、芸術文化ゾーンにおける「文化創造・市民活動」の新たな役割を担う核とします。
場所の力 |
活用できる資源 |
活用の方向性 |
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(1)建物の立地(旧県立美術館の立地) |
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(2)まちの物語(旧県立美術館の物語) |
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(3)人々の記憶(旧県立美術館の建物) |
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利活用方針
利活用調査を踏まえ、全体に共通する「求められる役割」と、基本目標の達成に向けて必要な「新たな施設の機能」に分けて整理しました。
求められる役割
「活動が見える」
市民や作家の創作活動を誰もが間近に見ることができ、作品の展示・鑑賞だけではなく、創作活動やワークショップを通して市民が文化・芸術・歴史を身近に感じることができる。
「人をつなぐ」
文化・芸術・歴史を通じてさまざまな人や活動と出会い、価値観や表現の違いを知り、つながることにより、世代を超えて新たな交流と活動(まちの化学変化)を生み出す。
「まちにひらく」
芸術文化ゾーンにおける立地環境を生かすとともに、ゾーン内の他施設とも連携し、活動を見せながら交流を図ることにより、気軽に人が集まる、幅広い世代のまちの居場所となる。
新たな施設の機能
「新たなアプローチで秋田の文化力を深める場」
芸術文化ゾーンにおける文化創造の拠点の一つとして、文化力を深めていく機能。「創造の拠点」。
芸術文化ゾーン他の文化施設と機能の分担を図り、他の文化施設とは異なる新たなアプローチで創造を支援します。
「まちを知り、まちに関わり、まちを楽しむ場」
交流により共感を広げ、まちに関わる人(関係人口)を増やそうとする機能。「交流事業の展開」。
文化・芸術・歴史をテーマに、作り手にとっては発信型、一般の市民にとっては体験型の双方向性をもったさまざまな交流事業の展開を図ります。
「まちに関わるみんなのための自分の場所」
文化・芸術・歴史を切り口とした新たな市民の活動を支援していく機能。「市民の活動の支援」。
活動スペースを提供するだけではなく、利用者がまちづくりの当事者として主体的な関わりを広げていくよう、活動の実現を支援します。
なお、芸術文化や歴史文化をテーマとする市民の活動や主催事業での多様な活用に柔軟に対応できる施設とするため、利活用分野ではなく、利活用の性質に着目して機能を整理しました。
具体的な取り組みや事業については、「芸術文化交流」「歴史文化交流」を念頭に、利活用調査の取り組み事例(調査報告書19ページ)などを多種多様に展開することを想定し、次項の「運営の基本的な考え方」につなげます。
芸術文化交流
長期間の創作の公開と交流、記録保存や情報発信による文化の継承など、他の文化施設における一般的な展示・鑑賞機能や諸室の貸出機能とは異なる利用方法を提供することで、市民の芸術文化の創造力のレベルアップや創造に関わる人材の育成に貢献するため、公開と体験に重点を置いた事業展開をします。
歴史文化交流
千秋公園の時層を知り、関心を引く交流事業の実施により、二ノ丸の佐竹史料館、本丸の御隅櫓への歴史の動線を強化するほか、羽州街道など歴史・文化を巡るルートや如斯亭などの歴史文化財を生かしたまちあるきを促すなど、まちの歴史を辿る起点とします。施設内外のオープンスペースに、三ノ丸や土塁遺構など敷地に関わる開設を置くなど、まちの歴史の見せ方を工夫します。
運営の基本的な考え方
指定管理者による管理に加え、以下の仕組みを組み込むことで市民主体の柔軟な企画を可能とし、主に活動・発表(鑑賞)の場である市民利用施設(アトリオン、にぎわい交流館、県・市連携文化施設)と役割を分担します。今後策定する運営管理計画において具体的な検討を深めていきます。
運営のコーディネート
コーディネーターを配置し、市民が関わり文化創造の機会を創出する「交流事業」を企画実施するとともに、利用団体の活動支援、芸術文化活動の記録保存と情報発信などを総合調整します。将来的には、芸術文化ゾーン全体での連携事業の展開やエリアマネジメントを担うことも検討します。
活動団体の参画
活動団体による市民企画会議(市民WS)を置き、市民が主体的に運営に関わり、活動をまちにひらき、関わる人を増やす仕組みとします。また、各団体の活動の公開、コラボレーションによる事業・イベントも定期的に実施します。
人材の育成、活用
多様な市民のアイディアや活動を取り入れながら施設運営・事業企画を行うため、コーディネーターを中心に、さまざまなかたちで関わる人材の発掘と人的ネットワークの構築、自立のサポートをしながら人材の確保・育成を図ります。
施設改修の基本的な考え方
利活用方針と運営の基本的な考え方を踏まえて必要な諸室を想定しました。
多様な活動を結びつけ、人のネットワークをつくるため、文化、芸術、歴史などの分野ごとに諸室の役割を固定するのではなく、多様な利用アイディアに柔軟に対応できるよう、
- 活動内容に応じて選択できる三つのスタジオ
- より小区画でオープンな活動ブース
- 誰でも自由に利用できる交流ロビー、テラス、公開空間など
により構成します。
担当・問い合わせ先
秋田市企画財政部企画調整課新文化施設整備担当
- 住所
- 〒010-8560 秋田市山王一丁目1番1号
- 電話
- 018-888-5462
- ファクス
- 018-888-5463
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