勝平得之・関谷四郎についてのQ&A
赤れんが郷土館内の、「勝平得之記念館」・「関谷四郎記念室」では、勝平得之と関谷四郎の作品や実際に使用していた道具類などを展示しています。
このページでは、勝平得之と関谷四郎についてよく寄せられる質問を紹介します。
勝平得之(かつひら・とくし)
問1 「勝平得之」について教えてください
答1
勝平得之(1904年から1971年)は、生涯秋田を離れることなく秋田の自然や風俗を描き続けた木版画家です。小さいころから絵を描くことが好きだった得之は、20歳のころから独学で版画を学びはじめます。その後、浮世絵版画の美しさに出会い、また、当時の美術思潮である創作版画運動(「絵を描く」、「版木を彫る」、「紙に摺る」の3つの工程を一人でおこなおう、という運動)の影響のもと、独自の色摺り技法を探り当てました。
郷土秋田の情景が描かれた勝平の版画は多くの人に親しまれ、海外でも高く評価されています。
問2 「色摺り(いろずり)」版画とは何ですか?
答2
単色の版画ではなく数種類の色を使った版画です。各色ごとに何枚もの版木を制作し、何回かに分けて一枚の紙に摺り上げます。そのため、一枚の版木だけでは一見どのような作品になるのかは分かりません。それぞれの版木から色が集まることでひとつの版画になります。
問3 勝平は版画を制作するにあたって、どのような下絵を描いてますか?
答3
県内各地を歩いた勝平は、スケッチブックで数十冊におよぶ詳細なスケッチを描いています。そこには、日付や取材メモ、その日の食事の内容などが詳細に記されており、各地の風土を知る上でも貴重な資料になっています。
関谷四郎(せきや・しろう)
問1 「関谷四郎」について教えてください
答1
関谷四郎(1907年から1994年)は、秋田市出身の鍛金家(たんきんか)です。市内の金銀細工店で修行を積み、20歳の春に上京、鍛金家河内宗明の内弟子になりました。約10年間修行し、独立後は「接合せ(はぎあわせ)」の技法を取り入れ、精力的に活躍しました。
関谷は、1977(昭和52)年に国の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に指定されました。
問2 「鍛金」とは、どのような技法ですか?
答2
金属工芸の技法のひとつで、金槌や木槌などを使って金属を打ち延ばして成形するものです。
鍛金には次の3つの方法があります。
- 鍛造(たんぞう):金属の塊を打ち延ばして薄い板金をつくる
- 鎚起(ついき)・鎚金(ついきん):金属の板を表裏から打って成形する
- 板金(ばんきん):金属板を曲げたり接合したりして成形する
問3 「接合せ(はぎあわせ)」とは、どのような技法ですか?
答3
鍛金技法の内のひとつで、最も難しいとされます。異なる種類の金属を、金ろうや銀ろうと呼ばれる合金で接合し、更に、はがれないように打ち延ばして成形し槌目(つちめ)を残します。金属によって融点や膨張率などが異なるため、作業には高度な技術を要します。
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