生誕120周年 サルバドール・ダリ -天才の秘密-
企画展「生誕120周年 サルバドール・ダリ -天才の秘密-」
展覧会概要
サルバドール・ダリ(1904-89)の生誕120周年、シュルレアリスム宣言100年の記念すべき節目に開催する本展は、世界屈指のダリ・コレクションを形成する諸橋近代美術館の所蔵品を中心にダリの生涯を概観し、ダリの渡米以降の活動にも注目します。
ダリが私たち観衆に魅せた「シュルレアリスト・ダリ」とその背景にある「人間・ダリ」の複雑で繊細な内面を探り、世界中で愛されているサルバドール・ダリがいかなる芸術家であったのか、油彩、素描、版画、彫刻のほか、ミロやマグリットなどシュルレアリスムの作家の作品等により明らかにします。
- 会期
-
令和6年9月14日(土曜日)から11月10日(日曜日)
会期中無休 注:会期中一部作品の展示替えを行います - 開館時間
- 午前10時から午後6時(最終入館は午後5時30分)
- 主催
- 秋田市立千秋美術館、ABS秋田放送
- 後援
- 秋田魁新報社、NHK秋田放送局、AKT秋田テレビ、AAB秋田朝日放送、エフエム秋田、CNA秋田ケーブルテレビ
- 特別協力
- 公益財団法人諸橋近代美術館
- 制作協力
- NHKプロモーション
- 観覧料
-
一般1200円、大学生800円、高校生以下無料
注)20名以上の団体、前売、障がい者割引、秋田県立美術館との相互割引料金は、一般1000円、大学生640円 - 前売券販売所
- 秋田市立千秋美術館、さきがけニュースカフェ、ローソンチケット(Lコード:22263)
展示構成とおもな出品作品
1章 若き天才のペルソナ
本章では、サルバドール・ダリ(1904-89)の特異な人物像や芸術の展開を紐解くのに不可欠な、彼を取り巻く人物および地理的環境、とりわけそれらを端に発したダリの偏執について、初期作品を中心にみていきます。
若きダリは対外的には「エキセントリックな芸術家」というペルソナの確立を目論みますが、実際の内面は極めて繊細で、早逝した兄と同じ名前をつけられたことで、死の概念に囚われ続けました。加えて、父との確執、母や妹への偏愛など生い立ちにまつわる強迫観念がダリ的図像学を通じて奇妙なモチーフに転換され、全創作活動を通じて現れます。特にダリが家族と夏を過ごしたスペインの別荘地アス・リャネにほど近いカダケスの沿岸で感じた地中海の日照、目にした浸食風化する奇岩群、浜辺で腐食していく海洋生物といった風景は、初期以降も多くの作品で繰り返し描かれます。
2章 シュルレアリスムの新星
ダリがシュルレアリスムの代表的存在として名が挙がることは少なくありませんが、彼がシュルレアリストのグループに合流したのは、『シュルレアリスム宣言・溶ける魚(以下、宣言)』(1924年)が発表された5年後のことです。『宣言』の著者である詩人アンドレ・ブルトン(1896-1966)は、人間の本質的表現行為に迫ろうと「自動記述(オートマティスム)」の実験を繰り返しました。ブルトンを実質的指導者としたグループには他分野の表現者が集っていました。無意識の欲望を顕正するダリの理論と比類なき絵画の個性がグループに新たな展開をもたらすとブルトンは歓迎しましたが、ダリの個性的な言動は次第にグループに軋轢を生み、1939年に決別しました。
3章 進化と拡張の芸術家、ダリ
1934年に初めてアメリカへ渡ったダリは、精力的な個展開催、ニューヨーク万博のパヴィリオンなどの仕事を通じて、創造の境界は拡張し、その展開は飛躍的なものとなります。第二次世界大戦が勃発するとダリはアメリカへ亡命し、1940年から1948年まで活動の拠点としました。第二次世界大戦後のダリは量子力学に執心し、化学によって生じる強大な力の表現を試みる一方、伝統的な宗教主題も表現に取り入れました。とりわけ写真家フィリップ・ハルスマン(1906-79)との協働は実験的創造の連続であり、ダリ流シュルレアリスムを大衆へ披露するのにこの上なく相応しい領域でした。
本章では、渡米後における表現媒体の進化や領域の拡大、そして自流のシュルレアリスムへの昇華といった芸術活動によって生み出された、ダリの革新性溢れる作品を紹介します。
関連事業
講演会「天才サルバドール・ダリの秘密」
日時:9月14日(土曜日)午後2時から午後3時30分
講師:大野方子氏(公益財団法人諸橋近代美術館学芸課長)
会場:秋田市立千秋美術館3階講堂
対象:一般(定員70名、聴講無料)
申込:8月5日(月曜日)午前9時30分より千秋美術館にて電話で受付
定員に達したため、受付を終了しました
ギャラリー・トーク
日時:9月28日(土曜日)、10月26日(土曜日)
各日午後2時より30分程度
担当:千秋美術館学芸員
会場:千秋美術館2階展示室(事前申込不要)
PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。
よりよいウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
秋田市観光文化スポーツ部 千秋美術館
〒010-0001 秋田市中通二丁目3-8(アトリオン)
電話:018-836-7860 ファクス:018-836-7862
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。