令和2年度公の施設の指定管理者監査公表
監査公表
地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第7項の規定に基づき、令和2年度公の施設の指定管理者監査を実施したので、同条第9項の規定により、その結果を次のとおり公表する。
令和3年2月24日
監査の種類
地方自治法第199条第7項の規定に基づく公の施設の指定管理者監査
監査日程および実施場所
監査日程 令和2年10月19日から令和3年2月24日まで
実施場所 指定管理者の事務所等、監査委員室および監査委員事務局
監査の対象とした指定管理者名、公の施設名および所管課名
指定管理者名 株式会社バウハウス
公の施設名 秋田市農山村地域活性化センター(さとぴあ)
所管課名 産業振興部産業企画課
監査の対象とした事項および範囲
令和元年度における公の施設の管理業務に係る出納その他の事務
監査の着眼点
所管課関係
- 公の施設の管理を行わせる指定管理者の指定は、法、条例等に根拠をおいているか。
- 指定管理者の指定は、適正・公正に行われているか。
- 管理に関する協定等の締結は、適正に行われているか。
- 協定書等には、必要事項が適正に記載されているか。
- 管理に関する経費の算定、支出の方法、時期、手続等は適正になされているか。
- 事業報告書の点検は適切になされているか。
- 指定管理者に対して適時かつ適切に当該業務又は経理の状況に関し報告を求め、調査し、又は指示を行っているか。
- 指定管理者において施設の利用促進を図ることとしている場合は、利用状況に注意を払い、利用の奨励に努めているか。
- 指定管理者制度の採用により、効率的な、管理、運営を図られ、利用促進が働くものとなっているか。
- 利用料金制を採用している場合、そのことによって市民サービスの向上につながっているか。
- 本来、市が実施すべき修繕等を放置しているものはないか。または指定管理者の費用で実施させていないか。
指定管理者関係
- 施設は関係法令(条例を含む)の定めるところにより、善良な管理者の注意をもって適切に管理されているか。
- 協定等に基づく義務の履行は適切に行われているか。
- 利用料金制を採用しており、かつ指定管理者が定める場合、利用料金の設定等は適正になされているか。
- 利用促進ならびに利用者サービス向上のための取組はなされているか。
- 公の施設の管理に係る収支会計経理は適正になされているか。また、他の事業との会計区分は明確になっているか。
- 公の施設の管理に係る出納関係帳票等の整備、記帳は適正になされているか。また、領収書等の証拠書類の整備、保存は適切か。
- 公の施設の管理に係る管理規程、経理規程、情報セキュリティ規程等の諸規程は、整備されているか。また、それら諸規程に基づいた事務が執行されているか。
- 行政財産の目的外使用許可等、地方公共団体の長のみが行うことができる権限に属する事務が行われていないか。
- 自主事業を実施する場合は、協定等に基づき適正に実施されているか。
監査の結果
監査結果の概要は次のとおりである。
なお、監査の際に見受けられた事務処理上留意すべき事項のうち、軽微なものについては、担当者に対して改善又は検討を要望したので、記述を省略した。
施設の概要
- 施設名称
- 秋田市農山村地域活性化センター(さとぴあ)
-
所在地
- 秋田市上新城五十丁字小林190番地1
- 指定管理者名
- 株式会社バウハウス
- 指定期間
- 平成31年4月1日~令和6年3月31日
- 指定管理料
-
26,436,906円(令和元年度)
- 開館時間
- 午前10時から午後10時まで
- 休館日
- 12月29日から翌年の1月3日まで
- 施設の概要
- 敷地面積 3,347.32平方メートル
延床面積 2,768.29平方メートル
研修室1、研修室2、研修室3、研修室4(鉄筋コンクリート造2階建)
多目的ホール(鉄骨造)
施設の設置目的
本市の農山村の多様な地域資源を活用し、農業、自然、地域文化等に関する体験および学習を通じて市民の交流等を促進することにより、農山村地域の活性化を図ることを目的とする。
指定管理者の概要
株式会社バウハウスは、秋田市土崎港中央に本社を置く、グラフィックデザインおよびパッケージデザインの企画、立案および制作やホームページの企画、制作等を行う企業である。
指定管理者の指定にあたっては、秋田市公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例第2条の規定に基づく公募に対し同社が応募し、秋田市産業振興部指定管理者選考委員会による審査の結果、同社が候補者として選定され、議会の議決を経て指定管理者に指定されたものである。
指定の期間は、令和元年度から令和5年度までの5年間である。
指定管理者の業務の範囲
- センターにおける農業、自然、地域文化等に関する体験および学習その他農山村地域の活性化に資する催しの企画および運営に関すること。
- センターの利用の許可に関すること。
- センターの利用の制限および停止ならびに利用の許可の取消しに関すること。
- センターの利用に係る特別の設備の許可および既存の設備の変更の許可に関すること。
- センターの施設、附属設備等の維持管理に関すること。
- 前各号に掲げるもののほか、市長がセンターの管理運営上必要と認める業務
決算状況
令和元年度の事業実施状況および収支状況は次のとおりである
主な事業実施状況
- さとぴあ講座の企画・開催
田植等の農業体験、だまこ鍋づくり等の郷土料理づくり体験、草木染等の地域フィールドワークおよび餅つき体験等の伝統行事に関する講座を開催した(計90講座開催 参加人数1,624人)。
注:講座の開催数には、指定管理業務に係るもののほか、農山村地域活性化事業業務委託契約(国庫補助分)により、指定管理者が市から受託して実施した講座を含む。 - 援農ボランティアの派遣
市内の農家に対し、市民を農作業ボランティアとして年間を通じ延べ175回派遣した。 - 施設の貸出し
研修室 利用件数53件 利用者数529人
多目的ホール 利用件数496件 利用者数9,027人 - 自主事業
平成31年4月 さとぴあ・オープニングイベント
令和元年10月 さとぴあ文化祭「縄文の森フェスティバル」
令和元年8月~令和2年3月 バドミントン教室の開催(延べ35回実施)
収支状況
項目 | 決算額 |
---|---|
指定管理料 |
26,436,906円 |
利用料金収入 |
703,990円 |
雑収入(自動販売機電気料等) |
28,893円 |
収入合計(A) |
27,169,789円 |
項目 | 決算額 |
---|---|
人件費 |
8,493,332円 |
事務費 |
8,030,885円 |
事務費内訳 消耗品費 |
385,390円 |
事務費内訳 印刷製本費 |
898,992円 |
事務費内訳 通信運搬費 |
218,911円 |
事務費内訳 機械機器借上料 |
472,500円 |
事務費内訳 備品購入費 |
3,158,762円 |
事務費内訳 その他の経費 |
2,896,330円 |
保守管理費 |
1,025,815円 |
保守管理費内訳 委託料 |
473,000円 |
保守管理費内訳 Wi-Fi回線等使用料 |
107,212円 |
保守管理費内訳 負担金 |
6,000円 |
保守管理費内訳 その他の経費 |
439,603円 |
光熱水費 |
1,895,390円 |
光熱水費内訳 電気料金 |
1,622,599円 |
光熱水費内訳 水道料金 |
212,237円 |
光熱水費内訳 プロパンガス料金 |
34,264円 |
光熱水費内訳 灯油代 |
26,290円 |
修繕費 |
1,699,104円 |
その他の経費 |
216,000円 |
支出合計(B) |
21,360,526円 |
項目 | 決算額 |
---|---|
人件費 |
2,828,152円 |
事業費 |
1,819,786円 |
事業費内訳 受入農家・講師謝礼 |
581,557円 |
事業費内訳 交通費 |
700円 |
事業費内訳 消耗品費 |
7,286円 |
事業費内訳 参加募集経費 |
627,225円 |
事業費内訳 傷害保険 |
82,035円 |
事業費内訳 自動車借上料 |
434,086円 |
事業費内訳 燃料費 |
43,097円 |
事業費内訳 その他の経費 |
43,800円 |
支出合計(C) |
4,647,938円 |
収支差引額
収入合計(A)ー支出合計(B)ー支出合計(C)=1,161,325円
監査の結果
指定管理者関係(株式会社バウハウス)
- 事務執行体制の整備について
センターにおいて、小口現金の管理や銀行からの現金の引出しについて事故の発生が懸念される事案など、出納事務に係る不備が散見された。
これは、出納事務に係る規定やマニュアルを策定しておらず、日々の収支等について複数人によるチェックも行っていないなど、基本的な事務執行体制が整備されていないことによるものである。
財務の正確性を担保し、事故の発生を未然に防止する必要があることから、早急に規定等を策定の上、チェック体制を整備されたい。 - 基本協定書等に定める業務の履行について
指定管理業務に関する基本協定書や仕様書において、指定管理者が市に届出や報告をしなければならないとされている事項について、届出等を行っていない事案が見受けられたことから、基本協定書等の規定を遵守されたい。
所管課関係(産業振興部産業企画課)
- 指定管理者の業務の把握および監督について
上記指定管理者関係の「1.事務執行体制の整備について」に記載のとおり、指定管理者の事務執行体制が未整備であることについて、指定管理者の管理運営業務に対する所管課の確認が不十分であったことから、その状況が看過されていた。
また、指定管理者が市に届出を行っていないにもかかわらず届出を求めないなど、基本協定書等の履行確認や指定管理者への指導が不十分であった。
指定管理者の管理運営業務の状況を的確に把握し、基本協定書等の履行確認を行うとともに、必要に応じて指導を行うなど、指定管理者の管理監督を適切に行われたい。 - 施設の管理について
基本協定書によれば、指定管理者が管理する施設の範囲は、現在研修室等として使用している旧上新城中学校校舎の1階部分と、多目的ホールとして使用している旧体育館等とされており、旧校舎の2階部分については指定管理者が管理する範囲から除外され、所管課が管理している。
公の施設として一体をなす施設について、指定管理者と所管課が分割して管理することは、管理責任の所在があいまいになり、管理が十分に行き届かないおそれがあるなど、安全管理上問題があることから、適切な施設管理について検討されたい。
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