防ごう!高齢者虐待
高齢者虐待防止法
平成18年4月1日より「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が施行されました。
この法律は、高齢者が尊厳を保ち生きていけるように、虐待の防止と保護のための措置、また、高齢者を支える養護者の負担の軽減を図るために策定されたものです。
高齢者の虐待を防ぎましょう
- 高齢者(65歳以上)の虐待とは、家族などの養護者による虐待または、養介護施設従事者(特別養護老人ホームやショートステイなど高齢者福祉施設・事業所に勤めている人)などによる虐待を指します。
- 障害者虐待防止法が成立したことにより平成24年10月1日より高齢者虐待防止法が一部改正され、養介護施設・事業所を利用する65歳未満の障がい者については高齢者と見なし、養介護施設従事者等による高齢者虐待に関する規定が適用されることになりました。
- 虐待問題の難しいところは、養護者(介護者)が介護を行っているうちに、心身共に疲労し、追いつめられてしまうことが少なくないことです。虐待をしていることに気づいても(気づかなくても知らないうちに)、さまざまな理由で自分では歯止めがきかなくなっていることもあります。
- 高齢者の虐待を防ぐには、介護の負担を軽減する対策をとること、また問題が生じているときは第三者が介入するなどして、虐待の悪循環を止めることが大切です。
虐待の種類(5種類)
身体的虐待
高齢者の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加えること
具体例
- 平手打ちをする、つねる、殴る、蹴る、無理矢理食事を口に入れる、やけど・打撲させる。
- ベットに縛り付けたり、意図的に薬を過剰に服用させたりして、身体拘束、抑制をする など
介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)
高齢者を衰弱させるような著しい減食、長時間の放置、養護者以外の同居人による虐待行為の放置など、養護を著しく怠ること
具体例
- 入浴しておらず異臭がする、髪が伸び放題だったり、皮膚が汚れてる。
- 水分や食事を十分に与えられていないことで、空腹状態が長時間にわたって続いたり、脱水症状や栄養失調の状態にある。
- 室内にごみを放置するなど、劣悪な住環境の中で生活させる。
- 高齢者本人が必要とする介護・医療サービスを、相応の理由なく制限したり使わせない など
心理的虐待
高齢者に対する著しい暴言または著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える行動を行うこと
具体例
- 排泄の失敗などを嘲笑したり、それを人前で話すなどにより高齢者に恥をかかせる。
- 怒鳴る、ののしる、悪口を言う。
- 侮辱を込めて、子どものように扱う。
- 高齢者が話しかけているのを意図的に無視する など
性的虐待
高齢者にわいせつな行為をすることまたは高齢者にわいせつな行為をさせること。
具体例
- 排泄の失敗などに対して懲罰的に下半身を裸にして放置する。
- キス、性器へ接触、セックスを強要する など
経済的虐待
養護者または高齢者の親族が高齢者の財産を不当に処分することその他高齢者から不当に財産上の利益を得ること
具体例
- 日常生活に必要な金銭を渡さない、使わせない。
- 本人の自宅などを本人に無断で売却する。
- 年金や預貯金を本人の意思・利益に反して使用する など
こんなコトが虐待になる?
高齢者虐待に関する調査では、介護や世話をしている半数以上の人が虐待の自覚がないという結果が出ています。
気づかずに不適切な対応になりやすい事例については以下のリストでチェックしてみましょう。
- 言うことを聞かないので、無視したり、逆にののしってしまう。
- よいことと悪いことをわかってもらうために、たたくなどしてしつけをしている。
- 認知症により徘徊するので、部屋に閉じこめている。
- 認知症や寝たきりで周囲の目が気になるので、外出させなかったり、訪ねてくる人がいても会わせないようしている。
- 年金手帳、預金通帳などを管理し、本人に無断で使っている。
- 人前でおむつを替えたり、しばらく裸のままにしていくことがある。
もっと詳しいチェックリストは、下のファイルにてご確認ください。
虐待では?と思ったら
高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、速やかに通報しなければならない(または通報するよう努めなければならない)とされています。
ご近所や施設などで高齢者への虐待に気づきましたら、各地域包括支援センターもしくは長寿福祉課にご連絡くださいますようお願いします。(通報者の秘密は守られます。)
高齢者の生命または身体に重大な危険が生じている場合
市に通報しなければならない
高齢者の生命または身体に重大な危険が生じている段階にはいたらないが、高齢者虐待を発見した場合
市に通報するよう努力しなければならない
高齢者虐待防止に向けた対応
高齢者虐待防止の基本的な視点を、以下に整理してみました。
高齢者の保護を優先する
高齢者虐待防止では、高齢者の生命と尊厳を守ることが最優先事項です。虐待行為が意図的かどうかを問わず、高齢者の人権が侵害されている場合は虐待として関わります。
高齢者と家族を支援する
虐待が生じている場合には、虐待者を加害者としてとらえてしまいがちですが、虐待者こそ支援を必要としている場合が多く見られます。自分の価値観や正義感から虐待を正すのではなく、虐待の要因がどこにあり、その家族が抱えている問題が何であるかを考えて、高齢者と虐待者の両方を支援することが重要です。介護の協力者や相談相手がいない中で「孤独な介護」を行っている虐待者には、高齢者の状況改善のための支援とともに、介護する家族を支援するという姿勢で臨むことが重要です。
一人で抱え込まない
「一人で抱え込まない」は、介護する家族だけでなく、支援者にも共通する課題です。虐待という事象に対応すること自体が支援者には大きなストレスであり、対応の際の判断には大きな責任を負います。高齢者虐待の支援には、関係機関が連携・協力し、長期間にわたって負担の大きい対応をする支援者をチームで支えることが重要です。
虐待という言葉を安易に使わない
虐待の通報を必要以上に騒ぎ立て、安易に「虐待」という言葉を使うことでかえって事態を悪化させることがないよう、冷静に対応します。「虐待」という言葉は、それだけで関係者を過敏にさせますし、言葉が独り歩きする危険性もはらんでいます。
粘り強く支援する
過去からの人間関係や金銭のトラブルが絡み、家庭の根深い問題がある場合には、解決に時間を要することも少なくありません。長期間のこじれた家族関係は、たやすく修復できるものではありません。かといって、支援者が「仕方ない」とか、「どうしようもない」とか、「どうしようもない」とあきらめては、よい方向に進展させることはできません。「すぐには変われない」ことを理解しつつ、粘り強く、継続的な支援を続けることが大切です。
早期発見・早期対応
高齢者虐待は未然防止が第一ですが、仮に虐待という行為に至っても、深刻化する前に発見し、早期に支援を開始することが大事です。深刻になればなるほど高齢者の心身の傷は深くなり、家族関係の修復も難しくなります。虐待を受けている高齢者の6割に認知症の症状がみられます。
介護者や家族が認知症についての正しい情報を知ることで、さまざまな症状に対して、落ち着いて対処しやすくなり、虐待防止につながります。
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