令和7年11月25日の記者会見
市長の記者会見
幹事社:河北新報、日本経済新聞、AAB
市長
補正予算等の議案については、総務部長と企画財政部長から説明があったと思います。私からは4点ほど報告・発表事項がありますが、その前に大森山動物園でのクマの脱走事案につきまして、まず先にお話をさせていただきます。
11月21日(金曜日)、クマが大森山動物園内で目撃されたということで、当初は野生のクマが動物園内に侵入したものと判断し、対応しようとしておりましたが、その後の確認の結果、大森山動物園のツキノワグマのルビーが脱走したと判明いたしました。
その後、その日のうちに発見し、麻酔銃、吹き矢等で捕獲、園舎に戻したという状況でしたけれども、その原因究明等のため、その後の3連休は休園して状況の確認をしておりました。その結果、作業用の設備の鍵のかけ忘れということで、設備の老朽化や不具合等ではなく、管理側のヒューマンエラーという状況が判明しました。
まずは今、市民の皆さんにもクマ被害で大変なご心配をおかけし、また日常生活やいろいろな経済活動・通勤通学等で大変ご心配とご不便をおかけしており、捕獲、駆除していかなければならない状況の中で、一時的とは言いましても、動物園が管理し、飼育しているクマを脱走させてしまったということでまたさらにご不安な思いをさせてしまい、市民の皆さんにお詫びを申し上げたいと思っております。
それからまた、3連休ということで観光等、市外県外からお越しになられた方々も、来てみて休園を知ったという方もいらっしゃったと聞き及んでおります。こういった方々にも大変ご迷惑をおかけし、お詫びを申し上げます。
しっかりと再発防止、一言で言えばそういうことになりますけれども、今まで通常1人体制でやっておりましたが、これを2人体制にするとか、鍵をしっかり管理するとか、マニュアルをもう1回見直して再発防止をするということでありますし、またそういった人的な体制に頼らない、例えば、鍵をかけていなければアラームが鳴る等の設備・機器の導入など、いずれこれからまた同じようなことがないように、しっかりと検証・見直しをして、市民の皆様あるいは市外県外の観光客の皆様にも、安心して楽しんでいただけるようにしたいと思っております。ただ一方では、まもなく冬期間に向けての閉園の時期が迫ってまいりますので、来春以降も安心して楽しんでいただけるようにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。マニュアルの点検等が終わりましたので、大森山動物園は明日から営業再開とさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
それでは報告事項の1点目、令和8年度予算編成方針および次期総合計画の策定についてです。現在、当初予算に向けての予算編成を行っているところですが、個々の事業や新規の事業については、いずれしっかりとしたタイミングで発表させていただきたいと思っております。令和8年度の見通しに関して、現状の大まかなアウトラインでいきますと、今年度は国勢調査を行っておりますが、人口が30万人を割ったということ、これは確定だということで事業所税の課税要件の喪失により事業所税の減が見込まれております。また、人口減少に伴って地方交付税の減ということも見込まれており、歳入としては、令和7年度と比較すると約42億円の減収が見込まれております。
それに比べまして歳出は当然今、物価・人件費の上昇という状況ですので、これは市としても当然影響を受けるわけでありまして、経常経費や義務的経費の増加によって、歳入は減るけれども歳出は増加傾向にあるというのが、令和8年度以降の予算、歳入歳出のトレンドになろうかと思っております。
こうしたことを想定して、今年度は相当厳しく事業見直しを行っております。通常であれば、2年、3年かけて議論して、何かをやめるにしても縮小するにしても、時間をかけてやっていくのがより丁寧な進め方ですが、なかなか一つのものをやめる、あるいは縮小することに2年、3年もかけている時間が今はないという状況もありまして、そういう意味においては見直しという部分ではある程度緊張感、危機感、スピード感を持って進めていかなければならないという状況がございます。令和8年度の予算編成にもそうした影響は当然出てくるであろうと思っております。
一方で、やめるもの、縮小するもの、こうした話だけでは市民の皆さんが夢や希望、活力を持つことができませんので、市としては、私が市長にならせていただいて就任からずっと申し上げているように、プラスの循環をつくるということで、来年度から新しい総合計画の初年度になりますので、この計画にリンクをさせる形でプラスの循環を作っていく初年度として、まずは事業者の皆さん、経済の部分で稼ぐということで、ここに予算を集中投資していきたいということです。あるいは、この街全体としての魅力を高めていくということ、まちづくりもありますけれども、令和8年度は稼いでいくというところに、市としても限られた予算ではありますが、選択と集中ということでやっていきたいということでございます。
また、5年間の計画ですので、3年目、4年目、5年目となっていく中では、当然そのようにして税収なのか、市としてはふるさと納税、ネーミングライツも含めて稼げるものは稼いでいきますが、民間あるいは市が稼いだものを原資として子育て支援、福祉、医療などのいわゆる分配政策の方の充実に充てていくように循環を図っていきたいということです。その初年度が令和8年度ということで、そのような選択と集中による予算編成をしていきたいと思っております。これがまずは予算編成方針の大まかなところです。
総合計画としましても、今ちょうど先日まで外部有識者の方々に入っていただいて懇話会を第3回まで行っておりますけれども、人口推計等お示しさせていただきました。また、「ともにつくり ともに生きる 人・まち・くらし」という現行計画の理念は一定程度引き継ぎながら、この「人・まち・くらし」がさらに輝くという意味で、ステップアップするような計画を目指していきたいということで、今回は「共感」と「共創」をキーワードにして進めていきたいと思っております。
予算編成と総合計画の進捗状況としては以上の通りです。
2点目はクマ対策についてです。
10月以降、亡くなられた方も含めて今のところ10名の人身被害という状況になっております。一昨年よりはまだ少ない状況ではございますが、ただ出没件数からしますと本当にこの被害でとどまっているというのが不思議なぐらいの状況になっておりますが、市としては私を本部長とした危機管理対策本部を立ち上げております。既に発表しておりますけれども、緊急対策ということで3つ、パッケージとしてお示しをしております。一つは、報奨金の支出と報酬の倍増を行いました。昨日現在ですが、201頭の捕獲となっております。一昨年は170頭程度でしたので、それを大幅に上回る捕獲頭数となっております。猟友会の皆さんには本当にご難儀をおかけしてフル稼働していただき、我々市の方もパトロールを含めてフル稼働でやっております。
それから秋田県内の市町村としては初の狩猟期に合わせた報奨金ということで1頭1万円としております。これも1万円では少ない、安いという声も当然ありますけれども、市としては、まず初めての試みということで、11月1日から狩猟に対しての報奨金を支給させていただいております。
この結果、今、捕獲としては201頭、狩猟としては27頭となっております。昨年はそこまでクマの出没被害が多くなかったこともありますけれども、去年の狩猟としての頭数は0頭でありましたので、今年は猟友会の皆さんにも大変なご協力をいただいて、また、危機感をもって人とクマの境界線を山側に押し戻したいということで今頑張っていただいているという状況です。これから2月15日まで期間がありますので、クマの冬眠期にかかってきますが市街地への出没というのは一定程度減少するという見込みのもとに、今度は山の方で狩猟をしていただくということで、全体の個体数の減少とその境界線を押し戻していくことを春までにしっかりやっていきたいと思っております。
春からは管理強化ゾーンを市の方でも設定していく予定になりますので、そうしますと管理強化ゾーンでは通年捕獲ができていくのかなと思います。
ただ、管理強化ゾーンを設定するためには県のゾーニングが決まらないといけません。県の方で緩衝地域というものを定めていただくことになります。これはおそらく先日の協働政策会議でも話がありましたが、まだ県において作業中ということです。いわゆる緩衝地域とクマ等の生息地域とあとは人間が住む地域を設定し、人間が住む地域とクマの住む地域の間に緩衝地域を設ける三つのゾーニングを設定している最中で、これはおそらく年内には設定していただけると思いますが、それを受けて各市町村がその緩衝地域の中にいわゆる管理強化ゾーンを設定していくと、こういう2段階の作業になりますので、年明けになるかもしれませんが、春以降はその管理強化ゾーンに対する取組を強めていくということが通年的な取組になってくると思っております。これを対策のパッケージの1つ目に出させていただきました。捕獲圧を強めるということです。
それから2つ目の公務員ハンターについてもパッケージの中で発表させていただきましたが、これについては12月から募集を開始したいと考えております。できれば、県内、市内の捕獲あるいは駆除をできる貴重な人材である猟友会の皆さんから採用するとか、他の市町村の猟友会の方を採用するとなると、結局それは取り合いになりますので、なるべくそういうことはせずに、しっかりと実績のある実務をやっていらっしゃる、実際にそういう経験を持っている能力と資格のある現役の方を正職員として採用したいと思っています。細かい採用条件等は今詰めているところですが、来月から募集を開始して、春からは通年で活動していただきたいと考えており、複数名の採用を予定したいと思っております。
それから3つ目、学校ですけれども、学校の方は本当におかげさまで地域の皆様からもご協力、ご理解をいただいて、保護者の皆様にも大変なご難儀をおかけしておりますけれども、今のところ、児童生徒の安全は守られている、被害がないという状況であります。何とか引き続きこの取組を継続してやっていきたいと思っております。また、遊び場がない、十分に遊べないという声もいただきましたので、県と足並みを合わせて、市の様々な体育施設についても無料開放デーを設けるなどして、体を動かしていただいており、これも続けていきたいと思っております。
あとは県も実施しておりましたが、市としても飲食店、宿泊事業者、あるいは商店街など様々な組合に聞き取りをさせていただきました。やはりマイナスの影響が出ているという声も有り、一番強く出ているのは飲食関係かなという感じもいたします。あくまでも聞き取りの範囲ではありますが、こうしたものを受け止めてなるべく早く対応したいと思います。コロナ禍に近い経済的な消費の落ち込みといったこともありますので、なるべく早めに、議会も始まりますので、いわゆる追加提案なども含めて考えたいと思っております。ただこういった対策についてはどうしても予算化することと、実際にそれを実施できるまでにタイムラグがありますので、すぐにとはならない部分もありますが、なるべく早く予算化等必要なものはしていきたいと思っております。
それから3点目がスタジアムです。既にご説明をさせていただいてきている通り、6月の補正予算において、外部コンサルへ委託し、新設と改修、それぞれ5,000人、7,000~8,000人、1万人の場合の、大まかな設計とそれに伴う事業費の積算をしていただいております。市としては、どういう財源が使えるのかということも含めて新設・改修、並行して調査してきております。今週から始まります11月議会には、調査結果の数字や財源などをお示しできると思っております。
いずれ基本線としては、新設と改修を比較して、改修は新設よりも安くできるかどうか、スケジュールに遅れがないかといったところが満たせるかどうかというところも含めて市議会の方にしっかりとご説明をさせていただいて、そのご意見もしっかりといただいて三者協議に臨んでいきたいということです。
最後に4点目としてインフルエンザの関係です。相当インフルエンザが流行っているという状況で、私の手元にも数字がありますけれども、直近1週間のデータとして、1医療機関当たり78人というのが秋田市の数字となっており、これは警報レベルです。秋田県平均が1医療機関当たり54人となっておりますので約1.5倍、全国平均が37人になっていますので、約2倍です。ちょっと要因が難しいのですが、いずれ秋田市が県内の中でも、あるいは全国平均と比べてもかなりインフルエンザの流行レベルが高い状況にあり、昨年度と比べても学校の休校あるいは学年・学級閉鎖等の数も3倍、4倍というような状況になってきております。
そのため、この場をお借りして市民の皆さんにできることは限られておりますけれども、まずはまだ予防接種をされてないという方は、海外で新しい型のインフルエンザが出てきたという話もありますし、予防接種をしっかり受けていただくこと、日常生活の中の手洗い等をしっかりやっていただくということをぜひお願いしたいということです。以上、少し長くなりましたけれども、私からの発表事項は以上であります。この後はご質問等があればお受けしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
河北
今日、11月議会の提出予定案件が発表されました。
特に注力された点に関して教えていただけたらと思います。
市長
提出した時点では、まだ国の経済対策等が明らかになっていない状況でしたので、その中でも駅前の中心市街地への支援ですとか、あるいは酒蔵への支援ですとか、こういった経済的な部分というのはできる範囲でやらせていただいたということであります。
それ以外にも、例えば雄和市民サービスセンターの大規模改修に向けて、これからやっていかなければならない予算も入れさせていただいておりますけれども、ハード・ソフトいろいろな意味で、システム関係の改修も基礎自治体というのは多くて、これはある種、義務的な予算計上でありますが、こうしたものも入っています。
河北
条例案に関しては新しい部の廃止・新設あるいは動物園の入園料の改正に関して提出されています。
市長
当然所要の規定整備というようなものでの条例改正もありますが、大きなものとしては、部の設置条例ということと、大森山動物園の料金改定、この二つは市としてはこのタイミングで出させていただいた大きなものだと思っています。どういう狙いで組織を再編していくのかについては、既に市議会にも説明をさせていただいておりますし、また私も議会で答弁をさせていただいておりますが、企画という部分と財政という部分を、役所の中の三権分立といいますか、それぞれ分けていこうということであります。動物園に関しては、一度改正案を議会に出させていただいた経緯がありますが、改めて議会ともしっかりと議論、ご説明をさせていただいて、改めて再提出とさせていただいたものであります。
日経
クマ対策のご説明をいただいたところでありますけれども、現状、出没するクマと捕獲したクマの個体の特定、あるいは地域における全個体数の把握というようなところについて、非常にハードルが高い中で、市民に対してどの水準で安全、あるいは日常確保できるという水準があるのかないのか。今、県の方もいわゆる安全宣言なるものをどのような水準で出すかということについては、検討があるというような手探りの状態だというような声も聞きおよびます。
市においても対策を進め、対策本部という形で進めていらっしゃるわけですけれども、安全、日常生活の確保をどういった水準でお考えになるかという点について、市長のご意見を伺いたいと思います。
市長
おそらく県の方でもそこは大変悩ましいだろうと思います。通常であれば冬に入りますと冬眠期間ということで、クマの出没が激減するというようなことも想定されますが、冬眠しないクマもいるだろうとか、市街地に引き続き出没あるいは山に帰らずに里山とか空き家などで冬眠に入る個体もいるのではないかとか、いろいろなケースが想定されますので、目撃がなくなったら安全宣言と言いたいところですが、目撃情報は多分冬期間も断続的にあるだろうと思っています。
したがって、それをもって安全宣言というのはなかなか出しづらいというのが私の感覚ですが、少なくとも来春以降もしっかりと対策をしていく必要があると考えています。
それは捕獲だけではなく、いろいろなハード的なこともありますけれども、そうしたことをしっかりやっていく中で、ある程度安心してこれは市民の皆さんにも生活をしていただける、あるいは県外からも安心して観光に来ていただけるという状況を作りたいと思います。この1か月で安全宣言は出せないのではないかと思っております。
日経
もう一点はいわゆる公務員ハンター・ガバメントハンターについてです。
市としては大変スピード感を持ってこちらの採用に動いていらっしゃるようですけれども、クマというのは出没の時期に非常に波があることもございます。そういう中で、職員として雇用していくということですが、こちらの人材をどのように有効に活用するかについては、あまり前例もないことですので、複数の採用方法を検討中というようなお話もありましたけれども、この活用の方向について、どんなイメージをお持ちでしょうか。
市長
8月以降出没・目撃が多くなってきまして本当に大変な状況になってきているわけですが、予防的な意味でいくと、夏以降、出没・目撃情報が寄せられてから対応するだけでいいのかという観点もあります。管理の関係でいいますと、予防的な対応ということも春以降必要ですし、そういう意味では通年で業務はあると思っています。箱罠を1つ予防的に設置することもあるかもしれませんし、他にも予防的なことは当然ありますし、またクマだけではなくて今イノシシも多発しておりまして、これは生態系の問題があって、クマとイノシシなどいろいろな関係があるでしょうけれども、そういう意味では必ずしもクマだけでもないという状況もありますので、業務量としては大変多いのではないかと思います。今は市の職員が総出でパトロールを行っていますが、その方々は当然ハンターではありませんので、パトロールと駆除がイコールとはならないわけです。当然そういった資格を持っている方々がパトロールに実際に出向くことがあれば、猟友会の方々の負担もタイムラグも多少なりとも減らせるのではないかということもありますので、業務量とスピード感という意味では十分ニーズがあると思っています。
AAB
千秋公園にクマの出没が相次いでいますけれども、立ち入り規制について市長の考え方はどのようなものなのかを教えていただければと思います。
市長
前回、立ち入りを長期間規制させていただきました。今回は目撃情報があったわけですが、今のところ規制しておりません。目撃情報をいただいてから、公園内のパトロール、あるいは公園内に設置しておりますカメラ等での探索、見守りといった監視は継続しています。その結果園内での目撃がないものですから、おそらくは目撃された後に千秋公園付近から立ち去って、また戻ってくる可能性もありますけども現状においては公園内にとどまっているという状況が確認されておりません。前回規制をさせていただいたのは、もちろん我々も試行錯誤、手探りということもありましたが、園内にとどまっている、居座っているという状況が確認でき、毎日カメラに映る、あるいは毎日ある一定の場所で何かを食べている状況が確認されましたので、規制をさせていただきました。今回そういう状況がないものですから一時的な目撃ということのみをもって、全て立ち入り等規制していきますと科学的にどうなのかという話にもなりますので、園内での目撃がないという状況であり、現状では規制は行っていません。
ABS
スタジアム整備に関して、事業者に調査してもらっての中間報告といいますか、新設に関しては少なくとも120億円かかるということのようですが、一方で改修に関してはまだなかなか見えないという状況だと思いますけれども、改修に関して費用が出ない、時間がかかるというのは、どのような根拠でしょうか。
市長
この後、市議会でしっかりと説明をしていきたいと思いますので詳細の説明はここでは避けたいと思いますが、基本的には新設の場合には更地に作っていきますので単純に新しいものをどう作るかという設計と整備費の概算費用の算出になります。それよりはやはり今あるものを改修してJリーグのスペック・求められている基準に合わせていくという方が、設計の難易度は高いということ、あるものの中で使えない部分もあったり使える部分もあったり、この場合だと満たせないとか、この場合こういうやり方を満たせるとかいろいろなことがあります。雨水下水の配管の存在による問題という話も当初あったわけですが、そうしたいろいろな条件をクリアしながらの検討になってきましたので、当然新設よりは時間を要するということです。ただ、あまりタイミングがずれて議会をまたぐことになってはいけませんので、この議会で新設・改修両方の工法なり費用なり財源なりその可否なりいろいろなものをしっかりとご提案・ご説明をしたいと思っています。
ABS
スタジアムは懸案事項としてずっとあって、2年前には大雨ということで、災害対応の声が強まり、今はクマです。市長として今おそらく市民の方からクマ対応を何とかしてくれという話もある一方で、スタジアムをつくらなければならないという難しい状況かもしれないですけれども、クマとスタジアム、プライオリティをどうするのかという点について市長はどう考えますか。
市長
性質も予算規模も全く違いますのでクマかスタジアムかというご質問にお答えするのは難しいですが、前々からお話をしているように、市民の皆さんの暮らしと安全、生命を守るというのが、市としての最優先・最大の責務でありますので、それを超えてスタジアムが上位に来るということはないというのは繰り返し申し上げております。
ただ、それが両立しうるのかどうか、それは秋田市のみで両立の方策を考えるということではなくて、あくまでも三者協議の中で、これは県にとっても、ブラウブリッツにとってもそうですけれども、三者で協議をしていくというのが基本線です。
秋田市単体の姿勢でいきますと、県はより広域的な様々な課題を背負っておられますが、市は、市民の皆さんの暮らし、生命、財産、安全に直結する仕事、サービスを担っていますので、そこは自治体の役割が違う部分もありますが、そういう意味では、市だけで考えれば、市民の皆様の暮らし生命、財産、安全を守るということ以上の事業はありません。
ABS
最後にクマに関して、秋田市でも自衛隊が活動していると思いますけれども、11月末で一旦区切りかもしれないし、延長かもしれないということですけれども、市として、求められるのであれば延長を求めるのかあるいは一旦活動を区切ってもいいと考えるのか、どういうスタンスですか。
市長
そこはより人的資源が少ない市町村の方が、より切実だと思います。例えば箱わなについて、本市でも箱わなの移動を担当していただきましたが、これは4人がかりの作業を実際自衛隊の皆さんにやっていただければありがたいです。ただ、自衛隊も、一方ではこれは恒常的な活動ではないということの縛りもあると思いますので、そういう意味でそこは県の方で各市町村の意向を聞いていただいて、その上での方向感というものに沿っていきたいと思っています。
魁
11月議会に提案される部署の再編の改正案の件ですが、企画財政部を廃止して、企画政策部と財政部に分けるというふうなところの意図・狙いを改めて説明いただけないでしょうか。
市長
先ほど簡単に触れましたけれども、基本的には企画というのはやはり、私も県庁のときに企画部門に在籍する期間が長かったですが、理想を描きながら新しいもののプランニングをしていく、あるいは市全体としてのビジョンを描いていくといった要素が強いセクションだと思っています。一方、財政というのは現実の財政、公共施設を保有している部分のマネジメント等、いろいろな意味で財産、資産あるいは税収等お金が絡むことが多いと、そうすると現実的にできないこともあり、現実をみなければいけません。そのため、やはり理想を描いていくという企画部門と現実を見ていく財政部門はそれぞれ違う部長のもとで良い議論の積み重ねをしていただきながら、最終の調整をしていくというのが、自治体としては健全な三権分立のあり方、これに人事というのはまた別にあるわけですけれども、セクションを分けた方がいいのではないかという判断をさせていただきました。
魁
スタジアムに関して、議会で計6パターンについて数字を出して説明するということでしたが、この議会で市としての方針を示すということは6パターンのうちのどれか一つが適切だと考えるという形で示すということになるのでしょうか。
市長
当然三者協議の場での議論もその後ありますので、6分の1までいくのかどうかはわかりませんが、ある程度絞り込んだ市としての考えは出したいと思っています。
魁
これとこれ、というような複数のパターンが適切ではないかとすることもあるということですか。
市長
あり得ると思います。
魁
一方で、金額について、改修と新設でほぼ変わらないのではないかという声もある中で、数字を鑑みてスタジアムの建設自体が現実的ではないという結論に至るという可能性はあるのでしょうか。
市長
市単体でそれを判断するということはないです。市としては予算をかけてコンサルを含めて調査してきているわけですが、その状況をしっかりと議会に提出し、またそれを踏まえた市の考え方というのは出したいと思いますが、その結果、スタジアムの整備自体ができるかできないかというものについては、市が単独で判断をするものではなくて、あくまでも三者協議の中で判断をしなければいけないものだと思います。ブラウブリッツがスタジアムを最も強く望み、またそれを活用する、利用するというスタジアムでありますし、また県、市、ブラウブリッツ三者によってこれまで協議をし、その三者によって、負担ということもずっと議論してきたわけですから、市が単独でやる、やらないということを判断することはありません。
魁
総合計画・人口ビジョンの策定に向けた会議を取材させていただきましたが、人口ビジョンでは、例えば、2040年に目指すべき将来人口として確か26万3,000人という数字が出ておりました。市長公約ではなく、スローガンとおっしゃっていましたが、「30万都市を目指す」ということを掲げられた中で、2040年というこれから15年後であっても26万3,000人と、30万人にはちょっと程遠い人口というのが現実的な数字だと言っている中で、30万都市というスローガンは何だろうと思ってしまうのが正直なところですけれども、その人口ビジョンで出た数字を踏まえて、市長の30万都市というスローガンの他の持つ意味合いというのはどういうものなのか、教えていただけませんでしょうか。
市長
現実的に非常に厳しい、達成するのは非常に難しい数字だということは、これまでも今もこれからも変わらないと思っています。私は30万都市の復活へということで掲げてきましたが、それはそこに向けてあらゆる努力をするという私の政治姿勢でもありますし、市の限られた資源を総動員してそこに向かっていくという意思の表れであります。そういう意味では、実際にその数字「30万」になるならないは別にして、そこに向かっていく努力をするということ自体はなんら変わることではありませんし、私としては引き続き、まずは社会増を達成していくということでやっていきたいと思っています。
時事
国の総合経済対策の関係で1点お伺いします。子育て世帯に2万円を給付するという事業が示されましたけれども、この金額や効果という部分について、様々な声があると思いますが市長のお考えをお願いします。
市長
一言で言うのは難しいですが、ある種の一律給付というのは、コロナのときもありましたし、今回もそうかもしれませんが、これに自治体としては様々な意味で業務上マンパワーなどが割かれます。これは法定受託事務等ではありませんので、その意味では、こうしたものがこれからもあるとすれば、必ず自治体を通してやらなければならないのかということを検討していただきたいです。こうした仕組みによって時間がかかる場合もありますので、国としての給付事務、分配は、国としてしっかり体制を作ってやっていただければ一番ありがたいなと、職員の負担等も考えますと少しそのように思うこともあります。
もちろん、給付を受ける子育て世代にとっては、1万円でも2万円であっても、ありがたいことは間違いないと思いますので、市としては、現状の体制の中で少しでも早くその給付が実際に児童手当に上乗せできるように準備をしていきたいと思っています。
NHK
先ほども予算の説明の中でありましたが、スピード感を持って財源見直しを行っていくとなると、前議会でも出ました老人いこいの家だったり、ふれあいプラザであったりそういった部分にも議員からもお話があったように、やはりどうしても反対の声があるかと思いますけれども、その点に関して、今後どのように市民に説明をしていきたいとか理解を求めていきたいとか、今後の方針はありますでしょうか。
市長
老人いこいの家、ふれあいプラザについては、代替施設の場所の確保ですとか、あるいは利用されている方々へのご説明ですとか、こうしたことは可能な限りやらせていただいていますし、これからもその時間の範囲の中になりますが、やっていきたいと思っています。ただ、どうしても先ほどお話させていただいた通り、市の予算全体としてはそういった縮小傾向があるものですから、これについても市民の皆さんや市議会の皆様にもご理解を得る努力をしていくということも必要だろうと思っています。
NHK
今日も午前中に八橋の周辺でクマの目撃が相次いでいるとの発表もあります。先日のブラウブリッツのホーム最終戦でも近くでクマの捕獲がありました。市民が慣れてきている中で、対策をして、今後どのように経済活動を行っていくのかというような流れに市内がなっているように感じますけれども、経済活動に関して、今後人身被害が起こらないように工夫する中でどのように進めていきたいとかはありますでしょうか。
市長
なかなかこれという解決策はないのですが、今のところですけども、秋田市内で今回人身被害が発生した10件というのは、散歩中、ジョギング中、農作業中、あるいは稀ですが、その10件のうちの2件ぐらいは玄関先でということもありました。そういう意味では、実は市街地の出没・目撃は多発していますが、買い物をしている時に襲われたとか、飲食店に行く途中に襲われたとかということは今のところないです。いろいろな研究をしなければいけませんが、やはり、今お話したようなジョギング、散歩、あるいは朝、里山農作業といった一定の傾向はあるだろうということで一定の警戒をしていただく中では、今のところ市街地で会社から出て襲われるというようなケースがないので、少し整理をして市民の皆さまにも日常の生活、お仕事、経済活動はしていただけるといったアナウンスも、もちろんそれに対する支援も何かできればいいと思っています。
読売
提出予定案件の中に市長の給料減額の件が入っておりますけれども、以前の生活保護費の過大支給の問題の責任を取られるという話は以前からございましたが、3月31日までという期間とあと100分の20に相当する額を減じて得た額ということですが、その金額と期間はどのようにお考えになられたのかを伺えればと思います。
市長
実は秋田市のみならず他県、他の自治体ではあまり前例がなかったものですから、一定のルールというのは存在していない状況です。ただ、私としては、繰り返しになりますが、今回の認定誤りによって過大支給をした、その間その返還を求められてご難儀をされた方々に対する申し訳ないという思いと同時に、税金を過大に使ったわけですから、それに対する市民の皆さんに対する申し訳ないという思い、ただ一方では、組織として職員として意図的に故意に悪意を持って行ったわけではなくて、一生懸命仕事をした中で誤ったものですので、そこは職員の皆さんに組織的ペナルティはないということは顧問弁護士の方々にもしっかり確認をしました。
ただ、トップとして、その道義的な責任といいますか、けじめといいますか、金額、時期については何が正解というのはありませんが、既に10%減額を続けている中で、さらに10%減額、3か月間ということでやらせていただくことにいたしました。
よりよいウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
秋田市総務部 秘書課
〒010-8560 秋田市山王一丁目1番1号 本庁舎4階
電話:018-888-5425 ファクス:018-888-5426
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。
