イオンタウンによる外旭川開発
- 投稿日
- 2026年8月10日
- 投稿要旨
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従前の基本計画を白紙撤回しゼロベースで検討するのであれば、なぜ事業パートナー公募からやり直さずにイオンタウンに頼るのか、今更ながらの疑問です。私が傍聴した8月7日の連合審査会で委員からも同様な質問が出ましたが、当局の答弁がよく理解できなかったので、詳しい説明を知りたいと思います。そして白紙撤回によりモデル地区としての位置付けもなくなった今、新提案を認めるならば秋田市のコンパクトシティ戦略との整合が求められます。
市は「少なくとも東日本では類を見ないオンリーワンの事業」と位置付けましたが、連合審査会での当局の説明は抽象的で、その後提出資料を見てもイメージが湧きません。何がどうオンリーワンなのか、市民に分かりやすい具体的な説明が必要です。提出資料にある三重県多気町の“VISION”をオンリーワンの西日本モデルとして、外旭川はその東日本版を目指すつもりでしょうか。連合審査会で何人かの委員がこの事例を取り上げました。「非正規雇用が多く、長続きしていない」「光と影の部分を両方把握する必要がある」との意見も出ています。こうした意見もしっかり検討し、先進事例の焼き直しでない新たな発想で、同社の言いなりでなく市が主体的に取り組むことが肝要です。
新提案の開発エリアは従前の51.1haそのままです。同社が同一面積に固執する理由は不明ですが、イオングループは2003から2004年までに北部エリア一帯の民有地に条件付賃借権設定を仮登記し、2020年には南部エリアにも同様に設定しています。これを踏まえて佐竹前知事は2024年4月1日の記者会見で、「これはイオンタウンさんがあの土地をどうしても使わなきゃならない。約束を、土地所有者の方と約束を果たすという、まずこれがあって、市がそれに乗っちゃったと。で、そうなりますと前に言ったとおり、他の企業が応募しても、これには行くはずがない。」と語っています。市は、同社の提案を精査するだけにとどまらず、それも参考にしながら自らのまちづくり計画に必要な機能・範囲を主体的に定めるべきです。これまでのように51.1ha(民有地はすべて同社の紐付き)に囚われる必要はありません。
私は、卸売市場の移転新築と跡地への民間施設整備には異論ありませんが、ものづくり施設と物流施設は別です。提出資料に示す目指す効果はどこにでも通用するもので、市は他の候補地と比較検討した上で、ここをベストとする論理的根拠を明らかにする必要があります。ものづくりエリアがインターチェンジに近い点や、物流エリアに企業が集積するメリットだけでは不十分です。
このままでは、従前計画で予定していた観光農園・CCRC等が抜けた跡の穴埋めにしか見えません。これまで同社の提案は、北部エリアに限っても「卸売市場+スタジアム」→「観光集客 +スタジアム」→「観光集客+観光農園」と変遷しています。卸売市場とスタジアムが抜けたのは市の意向ですが、同社はその都度51.1haを維持すべく別メニューで穴埋めをしており、今回もその本気度が疑われます。地域未来投資促進法を活用しやすくするための「目玉」としてものづくり施設と物流施設をはめ込んだだけか?とも思えます。そもそもこれら施設の立地を「まちづくり」と称するのは、一般的な感覚では無理があります。
卸売市場移転用地については土地所有者から土地売却の同意が得られているようですが、ものづくりエリアと物流エリアについてはどんな状況でしょうか。進出企業が購入するのか、又は賃借ならば農地法の規定により転貸は不可能なので、同社から条件付賃借権(1坪あたり月331円、農地法第5条の転用許可から30年間存続)を譲渡するのでしょうか。1反あたりだと月99,300円、年間では119万円余りと試算されるこの賃借料は、収益性の高い大型商業施設ならともかく、製造業や物流業が負担できるレベルなのか専門家の意見を聴きたいところです。もっとも、賃借料を下げるとすれば土地所有者がなかなか了解しないでしょうが…。ともあれ土地購入単価を含めここらを詰めないと企業は進出を判断できず、計画は絵に描いた餅になります。
最後に、今回の精査結果による「建物整備の投資額約800~900億円」には、ものづくりエリア・物流エリアに進出する企業の投資額が含まれるのでしょうか。卸売市場移転新築費用に加えて、市によるインフラ整備(道路拡幅、上下水道新設)への投資費用も明示して開発の全体像を示すことが、市民の理解につながると考えます。
- 回答要旨
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令和6年3月に策定した「秋田市外旭川地区まちづくり基本計画」については、構成要素の一つであったスタジアムの整備場所が八橋地区に変更となったことなどから、同計画を一旦白紙とし、事業パートナーの事業継続の意向を確認した上で、「まちづくり事業の推進に関する協定」に基づきゼロベースで検討を行うこととしたものであります。
本まちづくりは、コンパクトシティの考え方を基本としつつ、交通アクセスに優位性があり市街地に近接するという地域特性を有する外旭川地区において、単なる商業機能の集積ではなく、本市の経済にプラスとなる取組として新たな投資の喚起や雇用を創出するものづくり分野の配置といった産業の視点と、外から人や消費を呼び込む誘客機能といった観光の視点で、「経済・人・モノ」の好循環を目指すこととしており、居住や都市機能等の集約による地域拠点を形成するものではありません。
また、本事業における開発区域については、令和3年度に実施した事業パートナー選定プロポーザルの募集要項において、本市が設定した「現卸売市場敷地およびその周辺」という条件に対し、最優秀提案者となった事業パートナーから示されたものであることから、本区域を基本に事業内容の具体化に向けて事業パートナーと協議してまいります。
なお、8月7日の連合審査会で示した内容は、提案に基づいて事業を進められるかどうかを判断する段階において、ものづくり・物流エリアを含む民間投資の総額などの具体を、現時点における想定として可能な範囲で示したものであり、今後、議会の理解が得られ本事業を進めることとなった場合には、事業パートナーとともに事業内容、土地の利活用方法、インフラ整備に係る費用負担のあり方等の具体化を進め、市民理解を得られるよう分かりやすい説明に努めてまいります。
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