障害者の状況および将来推計（知的障害児・者実態調査の概要）

知的障害児・者実態調査の概要

1. 調査の目的
   障害のある人の日常生活・健康・社会参加などの実態を把握し、秋田市障害者プラン策定のための基礎資料とすることが目的。
2. 調査の対象
   療育手帳所持者約1,100人のうち、65歳未満の人約700人の中から約500人を抽出。（65歳以上は高齢者プランで対応するため、調査の対象にしていません。）
3. 調査の時期
   平成9年2月21日から3月25日
4. 調査の方法
   配布・回収とも郵送方式で実施
5. 結果の集計
   秋田市福祉保健部福祉総務課・社会福祉課で実施
6. 集計の対象
   対象者数：499人
   回答数：283人
   回答率：56.71％

記入者について

家族が記入した場合が60.1％と最も多くなっています。本人が記入した場合は7.8％しかありませんでした。
これに対し、身体障害者の調査では、本人が記入した場合が、66.8％でした。

記入者別の割合

記入者	実数	割合
家族	170	60.1
本人と家族	60	21.2
本人	22	7.8
その他	1	0.4
不明	30	10.6
合計	283	100.0

障害のある本人の年齢について

20代以下が69.7％で、あまり高齢化は進んでいません。
これに対し、身体障害者の調査では、40代以上が84.4％を占め、高齢化の進行が予想されます。

年齢構成別の割合

年齢構成	実数	割合
10代未満	46	16.3
10代	73	25.8
20代	78	27.6
30代	32	11.3
40代	25	8.8
50代	15	5.3
60代以上	10	3.5
不明	4	1.4
合計	283	100.0

障害の程度について（療育手帳の等級）

A級、B級とも、ほぼ同じくらいの割合となっています。

療育手帳の等級別割合

療育手帳の等級	実数	割合
A級(重度)	136	48.1
B級(軽度)	144	50.9
不明	3	1.0
合計	283	100.0

重複する障害について

肢体障害と重複している人が79.1％と最も多く、また、聴覚障害との重複も48.6％とかなり高い割合となっています。

重複する障害の割合

重複障害	実数	割合
肢体	91	79.1
聴覚	35	48.6
視覚	10	13.9
内部	8	11.1

世帯人員について

4人家族が35.3％と最も多く、次いで3人家族（23.0％）、5人家族（18.7％）の順になっています。
なお、ひとり暮らしの世帯は8世帯（2.8％）と少なくなっています。
これに対し、身体障害者の調査では、2人家族が29.4％と最も多く、5人あるいは6人以上の家族は少なくなっています。

世帯人員別の割合

世帯人員	実数	割合
1人	8	2.8
2人	29	10.2
3人	65	23.0
4人	100	35.3
5人	53	18.7
6人以上	22	7.8
不明	6	2.2
合計	283	100.0

世帯の生計中心者について

世帯の生計中心者は、圧倒的に「父（68.6％）」が多くなっています。次に多いのが「母（13.1％）」で、両親の収入で生活している人が多いと予想されます。
これに対し、身体障害者の調査では、本人自身が生計中心者である場合が最も多く（42.9％）、次いで、夫や妻（32.8％）となっています。

生計中心者別の割合

生計中心者	実数	割合
父	194	68.6
母	37	13.1
本人自身	11	3.9
兄弟姉妹	11	3.9
夫・妻	9	3.2
祖父母	6	2.1
子ども	1	0.4
孫	0	0
その他	5	1.8
不明	9	3.2
合計	283	100.0

世帯の年間収入について

世帯の年間収入は、600万未満の世帯が全体の60％近くを占めています。また、600万円を超える世帯は、29.3％です。
これに対し、身体障害者の調査では、600万円を超える世帯は、16.4％しかありませんでした。

年間収入別の割合

年間収入	実数	割合
200万以下	30	10.6
200万超400万以下	71	25.1
400万超600万以下	63	22.3
600万超800万以下	43	15.2
800万超1000万以下	25	8.8
1000万超	15	5.3
不明	36	12.7
合計	283	100.0

介助をしている人について

「母（86.4％）」が介助している場合が最も多く、次いで、「父（49.2％）」、「兄弟姉妹（27.3％）」となっています。
これに対し、身体障害者の調査では、「夫または妻」が介助している場合が、51.7％で最も多くなっています。

主な介助者（近親者）別の割合（複数回答）

近接者	実数	割合
母	209	86.4
父	119	49.2
兄弟姉妹	66	27.3
祖父母	21	8.7
夫または妻	8	3.3
その他親族	5	2.1
子ども等	3	1.2

注：子ども等にはその配偶者も含む。

主な介助者（その他）別の割合（複数回答）

その他	実数	割合
ボランティア	3	1.2
ホームヘルパー	1	0.4
民間サービス	1	0.4
ガイドヘルパー	0	0
その他	14	5.8

日常生活上の意思伝達について

日常生活の会話については、自由にできる人は11.0％と少なく、人とうまく会話ができない人が、46.3％を占めています。
これに対し、身体障害者の調査では、67.7％の人が自由に会話できると回答しています。

意思伝達別の割合

意思伝達	実数	割合
できない	131	46.3
家族等とはできる	104	36.7
自由にできる	31	11.0
不明	17	6.0
合計	283	100.0

かかりつけの医者について

70％以上の人に、かかりつけの医者がいる一方、20％近くの人にかかりつけの医者がいません。
これに対し、身体障害者の調査では、ほとんど同じ割合です。

かかりつけの医者の有無別の割合

かかりつけの医者の有無	実数	割合
いる	208	73.5
いない	67	23.7
不明	8	2.8
合計	283	100.0

通学先について

養護学校に通学している人が73.6％と多くなっています。通常学級に通学している人は1.1％と少なくなっています。
これに対し、身体障害者の調査では、通常学級へ通学している人が30.2％もいました。

通学先別の割合

通学先	実数	割合
養護学校	64	73.6
特殊学級	18	20.7
通常学級	1	1.1
訪問教育	1	1.1
盲・ろう学校	0	0
高校・大学等	0	0
その他	0	0
不明	3	3.5
合計	87	100.0

今後の学校教育への要望について

養護学校高等部の充実に対する要望が60.9％と最も多くなっています。次いで、健常児との交流事業（54.0％）、学習内容の充実（50.6％）となっています。
これに対し、身体障害者の調査では、学校施設の改善というハード面への要望が多くありました。

学校教育への要望別割合（複数回答）

学校教育への要望	実数	割合
養護学校高等部の充実	53	60.9
健常児との交流事業の充実	47	54.0
学習内容の充実	44	50.6
学校施設の改善	41	47.1
父母への助言・相談の充実	38	43.7
機能回復訓練等の充実	20	23.0
その他	2	2.3
特になし	2	2.3

日中の過ごし方について（学校を卒業した人）

「施設等へ通所」している人が、34.9％と最も割合が高くなっています。次いで、「家で過ごす（21.5％）」、「仕事（14.5％）」の順になっています。
これに対し、身体障害者の調査では、仕事をしている人が21.5％で最も多くなっています。

日中の過ごし方別割合

日中の過ごし方	実数	割合
施設等へ通所	60	34.9
家で過ごす	37	21.5
仕事	25	14.5
デイサービス	12	7.0
家事	6	3.5
職業訓練	1	0.6
機能訓練	0	0
その他	2	1.2
不明	29	16.8
合計	172	100.0

職種について

「製造・加工」の仕事をしている人が40.0％と最も多くなっています。事務は1人もいませんでした。
これに対し、身体障害者の調査では、事務が19.3％もいました。

仕事の種類別割合

仕事の種類	実数	割合
製造・加工	10	40.0
販売・サービス	7	28.0
建設・労務	2	8.0
農林漁業	0	0
事務	0	0
情報処理等	0	0
あんま・はり・灸	0	0
その他	3	12.0
不明	3	12.0
合計	25	100.0

採用形態について

正規の職員が64.0％と最も多く、自営業は1人もいませんでした。
これに対し、身体障害者の調査では、自営業が14.6％もいました。

採用形態別の割合

採用形態	実数	割合
正規の職員	16	64.0
パート等	7	28.0
自営業	0	0
家事従事者	0	0
内職等	0	0
その他	0	0
不明	2	8.0
合計	25	100.0

平均月収について

10万円未満の人が68.0％を占めています。20万円以上の方は1人もいませんでした。
これに対し、身体障害者の調査では、20万円以上の人が36.4％もいました。

平均月収別の割合

平均月収	実数	割合
1万円未満	0	0
1万円以上5万円未満	3	12.0
5万円以上10万円未満	14	56.0
10万円以上20万円未満	8	32.0
20万円以上	0	0
不明	0	0
合計	25	100.0

未就労者の今後の就労に対する考え方について

仕事はしたいが働けないと回答した人が19.7％と最も多くなっています。
次いで、作業所等で働きたいとした人が17.0％となっています。働く気はないという人は4.8％しかいませんでした。
これに対し、身体障害者の調査では、働く気はないという人が、19.6％もいました。

今後の就労意向別割合

今後の就労意向	実数	割合
働けない	29	19.7
作業所等で働きたい	25	17.0
働きたい	12	8.2
働く気はない	7	4.8
その他	8	5.4
不明	66	44.9
合計	147	100.0

就労者の際に必要な条件について

就労の際の条件については、「周囲の理解（66.7％）」が最も多く、次いで、「通勤手段の確保（50.0％）」となっています。
これに対し、身体障害者の調査では、「障害に適した仕事」が45.2％で最も多く、次いで、「勤務時間等の短縮」の38.1％となっています。

就労条件別の割合（複数回答）

就労条件	実数	割合
周囲の理解	8	66.7
通勤手段の確保	6	50.0
障害に適した仕事	6	50.0
自宅でできる仕事	2	16.7
勤務時間等の短縮	1	8.3
妥当な賃金	1	8.3
障害者用の設備	1	8.3
住居の確保	1	8.3
通院等の保障	0	0
就労技術を学ぶ	0	0
その他	2	16.7

希望する職種について

希望する職種については、「製造・加工（33.3％）」が最も多く、事務を希望している人は1人もいませんでした。
これに対し、身体障害者の調査では、事務を希望する人が40.5％で最も多くなっています。

希望職種別の割合

希望職種	実数	割合
製造・加工	4	33.3
販売・サービス	1	8.3
情報処理等	1	8.3
農林漁業	0	0
事務	0	0
建設・労務	0	0
あんま・はり・灸	0	0
その他	2	16.7
不明	4	33.3
合計	12	100.0

仕事に就けない理由について

「適当な職場がない（27.6％）」、「障害が重い（24.1％）」、「病気（20.7％）」の3つが仕事に就けない大きな理由のようです。

仕事に就けない理由別割合

仕事に就けない理由	実数	割合
適当な職場がない	8	27.6
障害が重い	7	24.1
病気	6	20.7
家事・育児が忙しい	1	3.4
周囲の理解がない	1	3.4
その他	0	0
不明	6	20.7
合計	29	100.0

暮らしなどへの不安について

老後に対する不安が62.2％と最も高く、次いで、健康（48.4％）、生活費（32.2％）となっています。
不安がないと回答した人は、0.4％のみであり、大部分の方は暮らしに対する何らかの悩みを抱えている状況がうかがえます。

今後の生活への不安別割合（複数回答）

今後の生活への不安	実数	割合
老後	176	62.2
健康	137	48.4
生活費	91	32.2
家族	70	24.7
仕事	68	24.0
住まい	26	9.2
結婚	22	7.8
災害	11	3.9
その他	3	1.1
不安はない	1	0.4

相談相手について

家族・親戚（36.0％）、知人・友人（19.8％）など身近な人へ相談する人が50％を超えています。次いで、医師（16.3％）、学校の先生（15.2％）となっています。

相談相手別の割合（複数回答）

相談相手	実数	割合
家族・親戚	102	36.0
知人・友人	56	19.8
医師	46	16.3
学校の先生	43	15.2
施設職員	27	9.5
福祉事務所	26	9.2
障害者団体	18	6.4
更生相談所・児童相談所	17	6.0
精神薄弱者相談員	12	4.2
病院ケースワーカー	11	3.9
保健所	7	2.5
民生委員	5	1.8
総合教育センター	3	1.1
社会福祉協議会	2	0.7
職業安定所	1	0.4
その他	5	1.8
相談する人がいない	16	5.7
相談の必要がない	9	3.2

外出について

週1回程度の外出をする人が31.8％と最も多くなっています。ほとんど毎日外出する人は7.4％と少なく、ほとんど外出しない人は22.3％と高い割合になっています。
これに対し、身体障害者の調査では、ほとんど毎日外出する人が40.6％もいます。

外出の回数別割合

外出の回数	実数	割合
週1回	90	31.8
外出しない	63	22.3
週2から3回	50	17.7
月1から2回	30	10.6
ほとんど毎日	21	7.4
その他	1	0.4
不明	28	9.8
合計	283	100.0

注：外出しないには、「ほとんど外出しない」も含む

地域行事への参加について

「ほとんど参加しない（27.6％）」、「参加したことがない（46.6％）」をあわせると70％を超えており、地域とのつながりが薄いという様子がうかがえます。

地域行事への参加頻度別割合

参加の頻度	実数	割合
参加したことがない	132	46.6
ほとんど参加しない	78	27.6
ときどき参加	27	9.5
よく参加	9	3.2
不明	37	13.1
合計	283	100.0

要望する施設について

要望する施設については、通所授産施設が15.5％と最も多くなっています。次いで、グループホーム（14.5％）、福祉ホーム（11.7％）の順になっています。

要望する施設別の割合

要望する施設	実数	割合
通所授産施設	44	15.5
グループホーム	41	14.5
福祉ホーム	33	11.7
通園施設	29	10.2
入所更生施設	28	9.9
入所授産施設	23	8.1
通勤寮	9	3.2
通所更生施設	6	2.1
その他	1	0.4
特になし	19	6.7
不明	50	17.7
合計	283	100.0

注：通園施設とは、重症心身障害児・者通園施設のこと。

特に充実すべきサービスについて

通所施設の整備（38.2％）、小規模作業所（32.5％）、入所施設の整備（26.1％）など施設整備に関する要望に多くなっています。そのほか、働く場の確保（29.7％）、経済的支援の拡大（26.9％）、ケア付き住宅・グループホームの確保（23.3％）などの要望が多くなっています。
これに対し、身体障害者の調査では、医療費の軽減（28.2％）、医療体制や内容の充実（26.8％）など医療にかかわる要望が多くなっています。

特に充実すべきサービス（医療）別割合（複数回答）

医療	実数	割合
療育・相談	65	23
医療費の軽減	59	20.8
医療体制や内容	54	19.1
機能訓練	39	13.8
訪問看護	15	5.3

特に充実すべきサービス（福祉）別割合（複数回答）

福祉	実数	割合
通所施設の整備	108	38.2
入所施設の整備	74	26.1
ショートステイ事業	60	21.2
デイサービス事業	58	20.5
ボランティア活動の育成	38	13.4
ホームヘルパー事業	27	9.5
訪問入浴サービス事業	10	3.5
日常生活用具や補装具の給付	8	2.8
手話通訳・要約筆記者等の体制	3	1.1
ガイドヘルパー事業	1	0.4

特に充実すべきサービス（教育）別割合（複数回答）

教育	実数	割合
学童保育	61	21.6
福祉教育	56	19.8
生涯学習	20	7.1
点字や朗読による図書、手話等	1	0.4

特に充実すべきサービス（雇用）別割合（複数回答）

雇用	実数	割合
小規模作業所	92	32.5
働く場の確保	84	29.7
職業訓練	53	18.7

特に充実すべきサービス（社会環境）別割合（複数回答）

社会環境	実数	割合
経済的支援の拡大	76	26.9
ケア付き住宅・グループホームの確保	66	23.3
総合的な相談・情報提供機能	60	21.2
自由に外出できる福祉のまちづくりの推進	57	20.1
交通手段・移動手段の確保	25	8.8
障害に適した設備をもった住宅の確保	21	7.4
住宅改造への貸付・助成制度	17	6
防犯・防災体制の充実	7	2.5

特に充実すべきサービス（文化等）別割合（複数回答）

文化等	実数	割合
文化・スポーツ等の活動に対する援助	15	5.3
国際交流・国際協力の推進	3	1.1
その他	1	0.4