サービスの現状および評価・整備の方向(安心して生活できるように)20.ボランティアの活動推進
ボランティアの活動推進
阪神淡路大震災や福井県沖で発生したタンカー座礁による重油流出事故などにおいて、ボランティアの重要性が認識され、若い世代を中心にボランティア活動への意識 が高揚してきています。
また、全国的にみると官公庁や一部の企業においては、ボランティア休暇の導入などさまざまな側面から活動を支援する体制も徐々に整備され始めています。
本市においても、ボランティア活動の拠点として、平成6年10月にボランティアセンターを開設し、活動を希望する人とボランティアを必要とする人の調整を行っています。10代の学生を中心にボランティア活動者は増えていますが、本市のボランティア人口は、決して多いとはいえません。
また、ボランティア活動とは、本来、奉仕性・自発性を基本とした助け合いの精神に支えられたものですが、活動希望者・依頼側の双方ともに「ボランティア活動とは何か」を必ずしも理解していないという課題もあります。
ボランティアセンター
現状および評価
概要
ボランティア活動を推進するため、ボランティアの登録・紹介・相談・研修・広報などを行い、助け合いの精神に支えられた住みよい地域社会をつくることを目的とし、平成6年10月に開設しました。運営は秋田市社会福祉協議会へ委託しています。
- ボランティアの登録・紹介(平成9年5月現在)
登録者数 | 個人:467人 | 団体:111団体(2,816人) |
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紹介延べ人数 | 個人:623人 | 団体:94団体(414人) |
- 登録者は、40~50代の女性が中心ですが、最近は10代~20代の若い世代が増加し、総登録者数も年々増加してきています。
- センターには、障害のある人も登録をしており、施設へのボランティア活動を中心に積極的に活動しています。しかし、障害のある人のボランティア活動については、活動の場が限定されることや受け入れ体制が十分でないのが現状です。
- 活動を希望する人とボランティアを必要とする人の調整が開設当初よりも機能するようになったので、紹介件数は大幅な伸びを見せています。しかしながら、その一方で登録してから一度も活動していない人や、実際の活動に不安を感じて断る人もいます。
- 障害児・者関係のボランティア活動については、作業所での手伝いや施設の行事の手伝いを中心に紹介しています。
- 在宅の人からは、外出時の移動補助の要望が多くなっていますが、拘束時間が長いことや介助への不安が大きいことなどで、うまく調整できていないのが現状です。
- ボランティア活動の情報提供
- 「ぼらんてぃあ情報(年6回1,900部作成)」やガイドブック「1・2・3ボ ランティア(2,000部作成)」を作成し、登録者や登録団体、公共施設や学校・各関係機関などに配布しています。
- また、ボランティア養成講座の開催については、広報あきたなどを活用して情報を提供しています。
- ボランティアセンターの開設によって、以前よりも活動の情報が得やすくなるなどボランティア活動へのきっかけづくりができ、確実に活動希望者は増加しています。
- しかし、登録のために来所した人からは、「もっと便利な場所にセンターがあればいい」「ボランティア同士の仲間づくりができる場がほしい」などの要望があり、情報交換や仲間づくりができるような「場の提供機能」について検討する必要があります。
- 障害児・者関係のボランティアについては、情報量が不足しているほか、活動の場も施設中心と少ないことから、活動への参加のきっかけが少ない状況にあります。
- ボランティア活動に関する相談
- 在宅からの相談が急速に増加していますが、実際は保健福祉サービスの対象となる場合が多く、在宅サービスの需要の掘り起こしにつながっています。
- 在宅からの要望が多様化し、ボランティアでは対応困難な場合も多くなっています。また、在宅への紹介は、1対1の人間関係に支障が起きやすく、活動が長続きしないなどの問題もあります。
- 「有償のヘルパーより、無償のボランティアを希望する」といったボランティア活動の「奉仕性」に誤解をもった意識でボランティアを希望する人も多くなっています。
- ボランティア養成講座の開催
- 学齢期の子ども、初心者、中・上級者と対象を3つに分け、養成講座を体系化して実施しています。
- 特に、初心者の養成講座においては、小規模作業所コースを設定し、障害児・者関係ボランティアの体験を行っています。
- ボランティア活動に関する図書・ビデオの貸出
- ボランティア活動について学習したい人や情報を提供するため、図書・ビデオを無料で貸し出しています。各団体で開催する学習会に貸し出すケースが多くなっています。
- 障害児・者関連の図書・ビデオも含め、全体の保有数は少ないのが現状です。
- 個人よりも団体で借りるケースが多くなっています。
図書 | 所有部数 33冊 | 貸出件数 10件 |
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ビデオ | 所有巻数 12巻 | 貸出件数 12件 |
- ボランティア活動に関する調査・研究
- 各ボランティア団体の活動内容、メンバー構成などの実態を把握し、ボランティア活動希望者への紹介や、ボランティア団体の要望に応じて機材の貸出などの支援を行っています。
- 福祉施設などへのボランティアの活動状況の調査によると、継続して活動している団体は少なく、歌や踊りの慰問・学校単位での活動などの単発的な活動が多いという結果が出ています。
把握している団体数 | 102団体 |
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その他の団体 | 14団体 |
人数 | 男性:959人 女性:2,731人 合計:3,690人 |
整備の方向
今後、市としては、「ボランティア活動とは何か」を理解してもらうために、学齢期から体験の場を設け、生涯にわたる「自己発見の場」としてのボランティア活動への取り組みをさまざまな側面から支援するなど、行政・学校・企業・市民が一体となって活動の推進を図っていきます。
- ボランティアの登録・紹介
- ボランティア活動は「自分ができることをできる範囲でする誰にでも気軽にできる活動」ということを、「広報あきた」や「ぼらんてぃあ情報」などでPRしていくほか、初心者向けのボランティア体験などを充実し、ボランティア活動への理解を深めていきます。
- 障害のある人のボランティア活動については、社会参加という側面からも有効なので、新規の登録を呼び掛けていきます。
また、活動の際には、本人に適した活動の紹介や、活動する側と受ける側の双方が理解を深めることができるように十分に説明を行うなどしながら調整していきます。 - 施設ボランティアについては、初心者向けの活動の場としても活用しながら、今後も積極的に紹介していきます。また、未活動者を中心に小グループを結成し、活動のきっかけづくりとする「ボランティアのお見合い」、あるいは初めての活動への不安解消のため、活動についての説明を十分に行います。
- 障害のある人への理解を求めながら活動希望者を確保し、施設ボランティアを中心に紹介していきます。
- 在宅へのボランティアの紹介については、活動する側・受ける側双方が相互理解できるように、十分に配慮して調整していきます。また、要望の多い外出時の移動補助ボランティアについては、ボランティア養成講座を行いながら育成と確保に努めていくほか、紹介の仕方を工夫するなどして活動に結びつけるよう配慮します。
- ボランティア活動の情報提供
- 情報誌については、登録者・登録団体だけでなく、秋田駅市民サービスセンターなどの公共施設などで幅広く配布します。
また、ボランティア養成講座の開催については、広報あきたも活用し、引き続き情報提供をしていきます。 - 今後、ボランティア個人レベルでの情報交換や仲間づくりができるように、交通至便な場所に「場の提供機能」の設置を検討します。
- 障害児・者関係のボランティアについては、施設・団体などからの情報収集をさらに充実し、その情報を有効に提供しながら、活動の場の確保に努めます。
- 情報誌については、登録者・登録団体だけでなく、秋田駅市民サービスセンターなどの公共施設などで幅広く配布します。
- ボランティアに関する相談
- 公的サービスの利用が適当な場合は、関係各課と連携をとりながらサービスの利用を進めていきます。
- 在宅へのボランティアの紹介については、ボランティア活動をする側と受ける側の双方が理解し合うことができるように十分に配慮して調整を行います。
- ボランティアの紹介についての相談の際などに「ボランティア活動の奉仕性」を十分に説明し、理解してもらうように努めます。
- ボランティア養成講座の開催
- 今後も、内容をさらに充実させながら、体系化して実施していきます。
- 養成講座の実施については、精神保健、難病関連など幅広く障害に対する理解を深めていけるよう、講義、体験コースの充実に努めます。
- ボランティア活動に関する図書・ビデオの貸出
- 障害児・者関連の図書・ビデオも含めて保有数の充実を図りボランティア活動への理解と意識を高めます。また、貸出事業のPRを広報やぼらんてぃあ情報などを通じて行います。
- 図書・ビデオがその場で見ることのできる場所の確保に努めます。
- ボランティア活動に関する調査・研究
- まだ、把握していない団体もあるので、継続して活動している団体・個人の実態把握に努めていきます。
- 施設の行事の手伝いなどの単発的な活動に人気があるので、気軽に参加できる活動、男性や若い人も参加できる活動の把握に努めます。また、ボランティア活動についての意識調査を実施します。
ボランティア団体への活動支援
現状および評価
- 秋田市ふれあい福祉基金
平成4年度から秋田市ふれあい福祉基金の運用益を利用して、民間団体の行う在宅福祉の向上、健康と生きがいづくり、ボランティア活動の推進などの事業に助成を行っています。
なお、平成9年3月末現在の基金原資額は、901,827,000円となっています。 - 秋田市社会福祉協議会が行う支援
秋田市社会福祉協議会では、地区社会福祉協議会や各ボランティア団体が行う事業に、秋田市ボランティア基金の運用益を活用して助成を行っています。
また、活動に必要な機材の貸出やボランティア保険への加入を促進しています。
整備の方向
- 秋田市ふれあい福祉基金
障害者団体をはじめ民間の団体が行う活動には、今後も、先駆的・試行的事業を中心に支援していきます。 - 秋田市社会福祉協議会が行う支援
今後も基金要綱および助成金交付要綱に基づき運用益を助成し、活動を支援していきます。
また、機材貸出や保険加入の促進については、継続して実施していきます。
秋田市ボランティア連絡協議会
現状および評価
市内のボランティア活動をしている団体の連絡調整・情報交換・学習会を行い、資質の向上およびボランティア活動の推進を図ることを目的に活動しています。
平成8年10月現在、79団体2,298人が登録しており、年々増加傾向にあります。
整備の方向
連絡協議会と連携をとりながら、より一層ボランティア活動の推進を図ります。
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このページに関するお問い合わせ
秋田市福祉保健部 障がい福祉課
〒010-8560 秋田市山王一丁目1番1号 本庁舎1階
電話:018-888-5663 ファクス:018-888-5664
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