サービスの現状および評価・整備の方向(安心して生活できるように)1.相談体制
相談体制
在宅障害児・者地域生活支援事業
現状および評価
- 療育等支援施設事業
平成8年度に国において事業が創設されました。
秋田県新総合発展計画後期計画においては、平成12年度までに中央部障害保健福祉圏域(注)内で2カ所、秋田県内で6カ所の地域療育等支援事業の整備を予定しています。
平成9年12月1日現在、県内では、鹿角市にある知的障害児施設「東山学園」と横手市にある同施設「阿桜園」の2カ所だけが実施しています。
地域での在宅生活を支援するために、この制度の市内での実施が求められています。
注:障害保健福祉圏域とは、保健福祉サービス体系について、複数市町村を含む広域圏域ごとに機能分担を明確にし、各種のサービスを計画的に整備するものです。秋田県では、人口分布状況および地域バランスなどを勘案して、身体障害児・者、知的障害児・者、精神障害者に共通の圏域として、県内を北部・中央部・南部の3圏域に設定するものです。
秋田市は、男鹿市、本荘市、河辺郡、南秋田郡、由利郡などと、3市19町1村で構成される中央部障害保健福祉圏域に入ります。 - 市町村障害者生活支援事業
平成8年度に国において事業が創設されましたが、秋田県および秋田市では、平成9年度現在、実施施設はありません。
在宅障害者やその家族が地域の中でよりよい生活を続けられるように支援していくための、コーディネーター(調整役)や総合相談窓口が必要になっています。 - 市町村障害者社会参加促進事業
平成7年度に国において事業が創設されました。秋田県では、身体障害者の社会活動への参加と自立を促進するため、この事業と同様の「障害者の明るい暮らし」促進事業を実施しています。
平成9年度現在、市では実施していませんが、地域の実情や障害のある人の要望に応じて具体的な事業への取り組みが求められています。
整備の方向
- 療育等支援施設事業
秋田県新総合発展計画後期計画においては、平成12年度までに中央部障害保健福祉圏域(注)内で2カ所、秋田県内で6カ所の地域療育等支援事業の整備を予定しています。
秋田市も県の計画との整合性を図りながら、更生施設「竹生寮」を実施施設として、早期にこの事業に取り組んでいきます。
目的
在宅障害児・者の地域での生活を支援するため、障害児・者施設の機能を活用し、療育・相談体制の充実を図るとともに、各種福祉サービスの提供の援助・調整などを行い、地域の在宅障害児・者およびその家庭の福祉の向上を図ることを目的としています。
利用対象者
在宅の重症心身障害児・者、知的障害児・者、身体障害児。 障害者職業センターや知的障害者更生相談所と連携しながら、事業をPRし、制度の利用を促進するとともに、新規の職親登録を進めていきます。
事業内容- 障害児・者やその保護者への相談、指導。
- 医療機関を利用できない状態の在宅の重度知的障害者の健康診査。
- 障害児の通う保育所などの職員への療育技術の指導。
- コーディネーター(調整役)を配置し、ショートステイ(短期入所生活介護)やホームヘルパー(訪問介護員)などの在宅福祉サービスの利用を援助。
- 市町村障害者生活支援事業
平成10年度に北部地区に開所予定の、身体障害者療護施設「ほくと」に生活支援センターを併設し、早期にこの事業に取り組みます。
目的
在宅障害者および家族に、在宅福祉サービスの利用援助、授産施設などの社会資源の活用、障害者自身の社会生活力を高めるための支援、ピアカウンセリングなど総合的な援助を行い、障害のある人の自立と社会参加を促進することを目的としています。
利用対象者
地域において生活支援を必要とする身体障害者およびその家族。
事業内容- ホームヘルパー(訪問介護員)、デイサービス(日帰り介護)、ショートステイ(短期入所生活介護)などの利用援助。
- 授産施設・小規模作業所などの紹介、外出・移動の支援。
- 健康管理、金銭管理、安全管理など、日常の生活力を高めるための社会生活訓練プログラムの実施。
- 地域で自立している障害のある人がカウンセラー(助言者)となって、生活上の問題への個別的援助・支援。
- 身体障害者更生相談所、職業安定所、医療機関、保健所などの専門機関の紹介。
- 市町村障害者社会参加促進事業
障害のある人の社会参加を促進するため、施設や障害者団体、関係機関などと協議しながら、平成10年度中の事業の実施をめざしていきます。
目的
障害のある人にとって最も身近な市町村において、障害のある人の要望に応じた事業を実施することによって、障害のある人の自立と社会参加の促進を図ることを目的としています。
対象者
身体障害者および知的障害者
選択事業
選択事業(10事業)のうち、1/2以上の事業を選択し実施する必要があります。- コミュニケーション支援
点訳奉仕員・手話奉仕員等養成事業(関連)
手話奉仕員等派遣事業
手話通訳設置事業 - 情報支援
点字広報・声の広報等発行事業 - 移動支援
自動車運転免許取得助成事業・自動車改造費助成事業(関連)
重度身体障害者移動支援事業(関連) - 生活支援
生活訓練事業(視覚障害者、聴覚障害者への日常生活上必要な訓練事業) - 身体障害者スポーツ振興
身体障害者スポーツ教室開催等事業 - 福祉機器リサイクル
福祉機器リサイクル事業 - 地域のニーズに即した事業
地域の障害のある人の要望に応じたモデル的・先駆的な事業
- コミュニケーション支援
重症心身障害児・者通園事業
現状および評価
目的
在宅の重症心身障害児・者に、通園の方法により、日常生活動作、運動機能の訓練や指導など必要な療育を行い、運動機能などの低下を防止するとともにその発達 を促し、併せて保護者に家庭における療育技術を習得してもらい、在宅の重症心身障害児・者の福祉の向上を図ることを目的としています。
現状
平成9年度現在、18歳未満の在宅重症心身障害児の機能訓練のための施設は、心身障害児総合通園センターの秋田県小児療育センターと、肢体不自由児施設の秋田県太平療育園があります。
18歳以上の施設としては、肢体不自由者更生施設・重度身体障害者更生援護施設の秋田県身体障害者更生訓練センターがありますが、重症心身障害者の通所利用への対応は十分とはいえません。
施設名 | PT数 | OT数 |
---|---|---|
秋田県小児療育センター | 2人 | 1人 |
秋田県太平療育園 | 4人 | 2人 |
秋田県身体障害者更生訓練センター | 0人 | 1人 |
評価
PT(理学療法士)、OT(作業療法士)による十分な機能訓練を受けたいという要望が寄せられています。
また、18歳以上の重症心身障害者への訓練施設がないので、養護学校の高等部の卒業後に機能訓練を受ける機会が極めて少なくなっています。
参考
在宅重症心身障害児・者訪問指導対象者:19人
知的障害者デイサービス(日帰り介護)利用の身体障害者:20人
整備の方向
- 秋田県小児療育センターや太平療育園のPT(理学療法士)・OT(作業療法士)の充実と、夜間などの緊急時の対応について、設置主体の県に働きかけていきます。
- 平成10年度開所予定の身体障害者デイサービスセンター(日帰り介護施設)においても、重症心身障害児・者のための機能訓練の充実を図るとともに、養護学校の卒業生の動向を把握しながら、ほかの施設での事業実施について県と協議していきます。
精神障害者地域生活支援事業
現状および評価
厚生省では、精神障害で入院している患者の約20パーセントは「社会的入院」であり、退院させるべきであるとしております。
このような中で、社会で暮らしていくための基盤づくりとして、生活支援事業を行っていく必要があります。
整備の方向
授産施設の整備にあわせて、精神障害者地域生活支援センターを設置して、日常生活の相談や支援によって、社会復帰の促進を図ります。
目的
地域で生活する精神障害者の日常生活の支援、日常的な相談への対応や地域交流活動などを行うことによって、精神障害者の社会復帰と自立と社会参加の促進を図ることを目的とします。
利用対象者
地域で生活している精神障害者。
事業内容
- 日常生活の支援
生活の基本となる住居、就労、食事などの日常生活の課題に、個別・具体的な援助を行うとともに、生活機能や対人関係に関する指導・訓練などを行います。 - 相談等
電話・面接・訪問によって、服薬、金銭管理、対人関係、公的手続などの日常的な問題、夜間・休日における悩み、不安・孤独感の解消を図るために、助言・ 指導を行うとともに、必要に応じて関係機関などへの連絡を行います。 - 地域交流等
レクリエーションなど精神障害者の自主的な活動や、地域住民との交流を図るための場を提供します。
また、住宅、就職、アルバイト、公共サービスなどについての情報提供を行います。
社会復帰相談指導事業
現状および評価
- デイケア
目的
回復途上にある精神障害者の社会復帰を促すため、対人関係の改善、適応能力の向上を図るものです。
内容
主治医の了解があり通所可能な人を対象に、月2回、保健所を会場にレクリエーションや話し合いなど、参加者相互の交流を重視した内容を実施しています。
平成8年度から、行事に合わせてボランティアを活用しています。
現状参加者数の推移(秋田県秋田保健所での参加者) 年度 平成6年度 平成7年度 平成8年度 人数 23 19 18
しかし、開設当初(S63年)から継続して参加している人がいるなど、参加者が固定化しています。また、参加者全員が男性となっています。
参加者の固定化の原因としては、事業の目的に沿った支援が十分でなかったことや、参加者の意識と事業の目的にずれが生じたことなどが考えられます。 - ソーシャルクラブ
目的
回復途上にある在宅の精神障害者同士がお互いに交流を深めることによって、地域社会や家庭で孤立することを防ぎ、社会的自立を促すものです。
内容
主治医の了解があり通所可能な人を対象に、月1回、保健所を会場にして実施しています。実施にあたっては、参加者の自主性を重視して、参加者同士の話し合いで内容を決めています。
現状
会員は平成9年6月現在4人で、主に憩いの場として活用されています。保健所でのソーシャルクラブ以外でも、会員同士で外出するなど交流を深めていますが、保健所以外には憩いのスペースがありません。
整備の方向
- デイケア
- 医療機関へパンフレットを配布するなど周知を図るとともに、参加者の増加に向けて、受け入れ体制を整え、適切な時期に参加できるように支援します。
- 参加者自身にあった社会復帰ができるように、医師、精神保健福祉相談員、保健婦などでケースを検討する場をつくります。
- 憩いの場、交流の場を中心とした内容で実施していきますが、女性や若い年齢層の人も参加しやすいような体制を整えていきます。
- 社会復帰への段階を進めるように、参加者自身の状況に合わせて事業を整備し、参加しやすいように支援していきます。
- ソーシャルクラブ
- 活動の中に、会そのものをどのようにするか検討し合う場を設けるなど、参加者がより自主的に活動できるように支援していきます。
- 会員の意識の啓発に努め、年間を通じたボランティア活動やデイ・ケアとの交流を行うなど、目標をもって活動できるように支援します。
- 憩いの場については、既存の公共施設の利用を関係機関と協議していきます。
障害者相談員
現状および評価
目的
地域の障害のある人の生活全般や更生援護、施設利用、福祉サービスなどについての相談業務を委託し、障害のある人の福祉の増進を図ることを目的としています。
現状
平成9年4月から中核市事業として、身体障害者相談員43人、知的障害者相談員 6人の計49人に業務を委託しています。
設置基準は、障害のある人およそ200人につき1人の割合で、任期は2年です。また、研修は年1回行います。
身体障害 | 主な相談内容 | 知的障害 | 主な相談内容 |
---|---|---|---|
442件 | 手帳:78件、医療保健:93件、生活:73件、補装具:56件、職業:28件、施設:18件、その他:96件 | 12件 | 生活に関すること:6件 、施設利用:3件、その他:3件 |
評価
- 相談員制度を周知徹底する必要があります。
- 相談員から手帳所持者の公開を求められていますが、プライバシー(情報の保護)の関係があるので公開していません。
- 障害のある人からの要望が多様化しているので、相談員研修の充実を図る必要があります。
- 精神障害についての相談に十分に対応できない場合があります。
整備の方向
- 手帳を交付する時に制度の説明をするほか、広報などで相談員制度や相談業務の内容を紹介します。
- プライバシー(情報の保護)の関係で、手帳所持者の公開はできませんが、民生委員などと連携を図り、情報の交換に努め、積極的に相談業務ができるように支援します。
- 活動報告の内容を分析し、相談員の研修の際は、社会情勢の変化や障害のある人の要望にあったテーマをもつなど、相談員の意識の向上を図ります。
子育て総合センター
現状および評価
子育て総合センターは、子育てについての総合相談窓口として、これまであった保育センター・家庭児童相談室・家庭教育相談所を統合し、平成9年4月に市福祉事務 所の2階に開設しました。
子育て相談員や家庭相談員のほか、ことばの問題を専門とする家庭教育相談員などを配置し、乳幼児から18歳くらいまでの子どものことなら、何でも相談に応じています。相談の受け付けは、相談する人の状況にあわせて、電話、面接、訪問などによって応じています。
相談状況
- 子育て総合センターには、子どもの育て方やしつけ、性格などのほかに、就学前の子どもの発育・発達やことばなどについての相談が多く寄せられています。また、保育所や幼稚園などに出向いての訪問相談の際には、子どもの発達やことばについての相談が多くなっています。
- 相談には専門の相談員が応じ、必要なときには、小児療育センターなどの専門機関による受診を勧めるなど、早期対応に努めています。
- 乳幼児健康診査などの際に問題が発見された子どもについては、幼児健康教室や中央児童相談所の巡回児童相談などの場を通じて相談員が継続して保護者の相談に応じ、親の養育不安の解消に努めています。
- 平成9年度から開催している経過観察クリニックには、相談員がスタッフとして参加していません。相談員が、障害のある子どもと早期から関わりを持つために、相談員の参加についても検討する必要があります。
- 障害や発達の遅れのある子どもの親や家族は、子どもとの接し方を学ぶ場や、ほかの子どもたちと交流できる場を望んでいるので、親子で交流できる場についても検討する必要があります。
- 乳幼児期から就学時、そして学齢期に、障害のある子どもを継続して支援していくためには、保健・医療・福祉・教育などの関係者が、どのように連携していけばよいのかが課題となっています。
職員 | 人数 |
---|---|
所長 | 1 |
婦人相談員 | 1 |
副参事 | 1 |
家庭教育指導員 | 1 |
主査(栄養士) | 1 |
家庭教育相談員 | 2 |
子育て相談員 | 3 |
家庭相談員 | 2 |
整備の方向
子どもに発育・発達やことばの遅れなどがある場合に、気軽に相談できる窓口とし て、家族の不安の解消が図られるように支援していきます。
また、広く利用されるように、広報あきたや子育て情報誌などを通じて周知を図っ ていきます。
- 相談の際には、面接や家庭訪問などによって、子どもの状況を確認しながら、家族の不安の解消に努めるとともに、子どもとの接し方や養育方法などについて、専門の相談員が継続して相談に応じていきます。また、必要に応じて、中央児童相談所や小児療育センターなどの専門機関と連絡を取り合い、早期に治療や訓練が開始されるように支援していきます。
- 障害のあることが明らかな子どもについては、子どもの状況について家族がより適切に理解できるように援助するとともに、子どもとの接し方などを助言し、家庭内での子どもの状況が改善されるよう、継続して相談に応じていきます。
- 中央児童相談所の巡回児童相談、保健所の主催する幼児健康教室、経過観察クリニックなどの事業に相談員が参加し、専門機関と連携を図りながら障害のある子どもを支援していきます。また、必要に応じて、幼稚園や保育所、教育委員会とも連携し、共通認識のもとに子どもの状況の改善に努めていきます。
- 障害のある子どもたちやその家族がお互いに交流でき、家族の不安が解消されるような場所として、遊び場機能を持つ子育て総合センターを交通至便な場所に設置することを検討します。その際には、土曜日・日曜日の相談や、平の相談時間の延長などもあわせて検討していきます。
ことばの教室(実施主体:社会福祉法人グリーンローズ)
現状および評価
ことばの教室は、難聴幼児通園施設「オリブ園」で実施している事業で、ことばに 障害のある子どもが親とともに参加し、コミュニケーションの改善を図っています。
- ことばの教室に通う子どもたちは、早期に専門家による検査や診断によって、発達の援助や訓練を受け、集団生活への適応をめざしています。
- ことばや聴こえ、発達の遅れについての新規相談は、年間100件ほど寄せられています。
- グリーンローズでは自主事業として、保健所や医療機関などから連絡のあったことばや発達の遅れがある子どもたちを対象に、「どんどんひろば」(注)や「おもちゃライブラリー」(注)なども開催しています。
注:「どんどんひろば」とは、東部地区に園の分室を設け、人口が急増している東部地区の低年齢児が、通園しやすいように配慮しているものです。
注:「おもちゃライブラリー」とは、発達に援助が必要な子どもたちが楽しく遊べる場として、ボランティアの協力を得て開催している、おもちゃの図書館のことです。最近は、子育ての悩みを相談する場にもなっています。
整備の方向
ことばの教室を継続して支援し、ことばや聴こえ、発達に遅れのある子どもの相談や、早期発見・早期発達援助に努めていきます。
また、子育て総合センターや保健所が情報を収集し、相談があった際にことばの教室の各種事業について紹介するなどしていきます。
民生委員・児童委員
現状および評価
昭和56年の国際障害者年、さらにはこれを契機として策定された障害福祉施策などによって、民生・児童委員への障害福祉に関する相談・指導件数は、大きく増加しま した。
これは、ノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通常の生活ができるようにする社会づくり)の理念について社会の関心が高まったことや、障害のある人についての社会の動向が民生委員・児童委員の個別活動を活性化したこと、また、民生委員・児童委員の組織団体(協議会)が、関係行政機関の施策などを見据えながら障 害者福祉活動の推進について全国的・全県的に運動を展開したことなどによるものと考えられます。
その後、平成4年を境に、相談・指導件数は減少しています。
年度 | 身体障害者福祉 | 精神障害者福祉 |
---|---|---|
平成4年度 | 3,673件 | 1,223件 |
平成5年度 | 3,469件 | 969件 |
平成6年度 | 3,322件 | 996件 |
平成7年度 | 2,526件 | 655件 |
平成8年度 | 2,388件 | 622件 |
民生委員・児童委員501名、主任児童委員40名
整備の方向
民生委員・児童委員の個別援助活動は、障害のある人をとりまく社会の動向はもちろん、福祉行政・施策についての理解と賛同のもとに積極的に推進されるので、委員活動の促進役の民生児童委員協議会および活動母体の地区民生児童委員協議会と、市福祉事務所の相互のコミュニケーションの充実を図る必要があります。
民生委員・児童委員の活動の際には、障害のある人の実態把握の結果や福祉票(注)を活用することを促し、把握した要望について、関係機関などへのつなぎ役・橋渡し役として、専門家との連携を図りながら相談活動を進めていけるように支援します。
- 民生児童委員協議会は、市福祉事務所との積極的な情報交換を図りながら、活動方針や事業計画へ組み込むための検討材料の集積に努めます。
- 地区民生児童委員協議会は、定例会、研究会、研修会において、市福祉事務所(障害福祉主管課)の職員との情報や意見の交換を行い、個別相談活動のための知識習得に努めます。
- また、市福祉事務所の身体障害者福祉司や更生援護の相談・指導にあたっている各分野の相談員などとの連携を図り、個別援助活動を推進します。
- 障害者相談員との連携を図り、それぞれの地域で障害福祉についての取り組みを推進します。
注:福祉票とは、要援護者の生活状況などを記録し、要援護者の要望・要求について、民生委員が対応(個別援助、他機関への橋渡しなど)するときに活用する帳票です。
ふれあい福祉相談センター(実施主体:秋田市社会福祉協議会)
現状および評価
平成3年度に国の「ふれあいのまちづくり事業」の指定を受けたことにともない、「心配ごと相談所」を「ふれあい福祉相談センター」としました。
実施状況
開設日:毎週月曜日から金曜日まで
開設時間:午前9時から~午後4時
相談員体制:1日2人体制 相談内容:福祉・人権法律・生計・家庭など21項目
相談内容 | 件 数 |
---|---|
精神保健 | 439 |
家 族 | 194 |
苦 情 | 145 |
人権法律 | 137 |
老人福祉 | 101 |
生 計 | 100 |
その他 | 455 |
総 数 | 1,571 |
- 市内に各種相談機関がほかにもあるので、「どこに相談したらよいかわからない」という相談には、その場で解決できるものは解決し、問題ケースについては専門機関へ橋渡しするといった「マルチ相談所」、あるいは「相談案内窓口」的な役割を担っています。
- 精神保健関係では、精神に障害のある本人からの相談が多く、その主な内容としては、将来への不安や世間への不満などがあります。
これは、精神保健関係についての相談機関が少なく、周知されていないことが原因として考えられます。 - さまざまな相談に対応するには、十分な時間をかけることのできる体制や専門的知識が必要です。しかしながら、現状では、相談技術を学ぶ研修会が少ないために相談員の資質の向上が十分に図られていません。また、精神保健関係の相談に対応できる相談員が1人しかいないという問題もあります。
整備の方向
- 精神保健関係の相談に対応するためには、相談員の資質の向上および専門的知識を持った相談員の配置が必要となるので、相談員を精神保健に関する研修会やカウンセリング(相談)講習会へ派遣し、体制の強化を図ります。
また、精神保健関係の相談に十分な時間をかけられる体制やその他の相談への対応も考慮して、相談員の増員を検討します。 - 相談日や相談体制について、広報あきたや社会福祉協議会だよりでPRしていきます。
成年後見人制度
現状および評価
- 現行制度内での後見人制度
後見人制度とは、親権者のない未成年者、または、権利義務に関する判断能力が十分でない人の社会生活を援助するものです。
成年への後見人制度には、禁治産宣告がありますが、この制度は、本人の生活よりも取引の安全や家産の保護に重点のある制度です。 - 新たな後見人制度の必要性
高齢化社会の進展や、障害のある人の自立への支援が求められる中で、積極的に社会の中で生活することの重要性が認識され、権限を限定した後見人制度や、法律や医学などの支援を行う体制の整備、介護や住宅などの生活一般への支援が必要となっています。こうした時代の要請を踏まえ、知的障害者や高齢者の意思や自立性 を尊重した新たな成年後見人制度の検討が進められています。
また、身体障害者についても、情報を受けたり、意思を表示したり、署名したりすることに不自由のある人への援助の在り方を検討する必要があります。 - 新たな後見人制度への模索
国においては、新たな成年後見人制度に関する法整備について平成7年6月以降検討が行われ、平成9年10月には一応の結論が出されました。
法律の整備に先立ち、東京都では、知的障害者や高齢者の財産の運用・管理のための施策として、平成3年11月に東京精神薄弱者・痴呆性高齢者権利擁護センターを設置しました。ここでは、弁護士のほか、福祉、教育などの専門家による法律相談、財産管理の相談、生活相談などが行われ、生活援助として、金銭管理プラン、日常生活プランの作成、生活を見守るアシスタントの紹介、預金通帳の保管などが行われています。
また、弁護士会や司法書士会においても、知的障害者や高齢者の財産管理のために、法的サービスの提供体制を整備する動きがあります。 - 秋田市における援助体制
現在もホームヘルパー(訪問介護員)による生活支援があるほか、相談業務については、秋田市社会福祉協議会で、心配ごと相談所を設け、精神衛生、人権・法律などについて電話での相談にも応じ、平成8年度の相談総件数はおよそ3千件(うち弁護士への相談が50件余り)ありました。
また、市役所広聴相談室でも、法律、登記、遺言、年金、人権困り事などについての専門家による相談日を設けています。
整備の方向
- 現行制度内での後見人制度
新たな成年後見人制度が、望ましい形で早期に整備されるように、必要があれば、秋田県市長会などを通じて、国・県に働きかけていきます。 - 新たな後見人制度の必要性
新たな成年後見人制度が確立する前であっても、弁護士会や司法書士会において先行的な支援体制が整えられれば、社会福祉協議会や民生委員などとも連絡を図りながら、協力していきます。 - 新たな後見人制度への模索
早ければ、平成12年には新たな成年後見人制度が整備される見通しなので、国の動向を注目していきます。 - 秋田市における援助体制
当面、社会福祉協議会や広聴相談室で行われている相談制度の有効な活用を図り、財産管理などの面でも、相談者に民間の信託業務を行う機関を紹介するなどの調整機能を提供することを検討していきます。
また、医療、介護、福祉などのサービスについては、ホームヘルパー(訪問介護員)、デイサービス(日帰り介護)、ショートステイ(短期入所生活介護)などを充実させると同時に、相談機能も整備していきます。
将来的には、東京都などの先進の自治体の状況を調査し、弁護士会などの専門家の団体とも協議しながら、金銭管理や日常生活などの面で、総合的に継続して支援する体制を整備できるかどうかを検討していきます。
関連情報
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〒010-8560 秋田市山王一丁目1番1号 本庁舎1階
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