サービスの現状および評価・整備の方向(安心して生活できるように)21.秋田市社会福祉協議会
秋田市社会福祉協議会
現状および評価
社会福祉協議会は、福祉活動にかかわる住民組織と公私の社会福祉事業関係者などの参加を得て構成され、住民の要望に立脚し、さまざまな福祉課題の解決に取り組み、誰もが安心して暮らすことのできる地域福祉の実現をめざしています。
具体的には、主体的福祉活動を行う住民組織との連携、社会福祉を目的とする事業の連絡調整および自らの事業の企画・実施や受託事業などを行っています。
しかし、多様化する福祉への要望・課題などへの対応、また、市民の地域福祉への意識高揚など、先駆性・開拓性・柔軟性をもって地域福祉推進の中核として活動を展開していくためには、新たな事業の実施・財政基盤の整備・事務局体制の強化が必要となってきています。
- 住民の主体的な福祉活動の推進
- 地区社会福祉協議会との連携による事業推進
- 小地域ネットワーク(支援体制)活動の推進
地区社会福祉協議会を一つの単位とし、要援護者の見守りや援助を行う小地域支援体制の推進について、その活動の主体となる地区住民・町内会・民生委員・福祉協力員などが連携できるように、地区へ出向いての説明やPRを行っています。 - 福祉協力員の設置推進と活動への協力
地区社会福祉協議会が行う事業への協力者として、町内会単位に1~2名設置できるように研修会の開催・活動へのアドバイス・必要性のPRを行っています。(平成9年3月末現在13地区で約340名)
主な役割は、町内での身近な福祉課題を発見し、専門機関や民生委員へ橋渡しすることなどです。 - 地域福祉メニュー選択事業
市内36の地区社会福祉協議会が、秋田市社会福祉協議会の設定したメニューの中から事業を選択し、各地区の地域性・独自性を活かした活動を展開しています。(メニュー具体例:定期的友愛訪問・ミニデイサービス・食事サービスなど)
- 小地域ネットワーク(支援体制)活動の推進
- 福祉団体活動への助成
- 福祉団体の育成を図るための補助や、団体の行事などに補助しています。
評価
各種事業を展開することによって、年々住民の福祉への関心は高まっていますが、全市的な小地域ネットワークの形成には至っていません。
また、「福祉団体活動への助成」については、障害者団体の活動や行事などの事業に対しても助成を行っていますが、その団体との密な連携・共同事業の実施には至っていません。
障害者団体の中には、スムーズな団体運営ができないため「事務局を社会福祉協議会で引き受けてほしい」「各障害者団体をまとめた組織を作ってほしい」などの要望があります。
- 福祉団体の育成を図るための補助や、団体の行事などに補助しています。
- 地区社会福祉協議会との連携による事業推進
- ボランティア活動の振興
やさしいまち、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指し、ボランティアの育成および活動への支援などを行っています。- ボランティアセンター事業(市から受託)
- ボランティア団体への活動支援(ボランティア基金運用益からの助成、機材の貸出)
- 秋田市ボランティア連絡協議会との連携
障害のある人のボランティア活動については、活動する側・受ける側双方の理解を深めていくことが今後の課題となっています。
また、障害のある人の社会参加を支援するためには、ボランティアの育成などの体制の強化も必要となってきています。
- 在宅福祉サービスの実施
在宅介護の負担軽減や日常生活の支援および当事者の社会参加のため、次の事業を実施しています。- 福祉機器の貸出
- 移送車の貸出事業
- 「遊びリテーションくらぶ」の開催
- 在宅福祉機器のリサイクル事業
- 受託事業
- ホームヘルパー(訪問介護員)派遣事業
- 市民参加型ホームヘルパー(訪問介護員)派遣事業
- 巡回入浴車派遣事業
- ガイドヘルパーおよび手話通訳者派遣事業
注:「遊びリテーションくらぶ」とは、痴呆性老人・要介護老人とその家族を対象に、リフレッシュやリハビリなどを目的に、福祉施設・ボランティアなどの協力を得て実施しています。年に5回開催し、1回あたり15組が参加しています。
行政サービスで対応できない部分について社会福祉協議会の役割は重要となってきています。そのためには、社会福祉協議会が行っている独自事業の拡充と新たな事業展開が必要です。
福祉機器の貸出事業については、機器の台数不足により迅速に対応できないこと、機器の総台数の増加に伴い維持管理が困難になってきていること、貸出の拠点が1カ所しかないことが課題となっています。
また、移送車の貸出事業は、運転手を確保しないと利用できないことや、PR不足のため、サービスの内容がよく知られていないので利用件数が少ない状況にあります。
「遊びリテーションくらぶ」は、参加者から「毎回参加できることを楽しみにしている」「表情が明るくなった」「車いすから杖歩行ができるようになった」などと好評で、この催しに参加したいという人も増えています。しかし、ボランティア・職員などの協力スタッフの確保や移動手段などの面から、参加定員の増は難しい状況です。
- 総合的な相談・生活支援活動の実施
福祉への要望を持つ市民への総合的な相談活動、生活支援活動を実施しています。- ふれあい福祉相談センター事業
- 生活福祉資金貸付業務の窓口(低所得者世帯)
- 市民小口資金の貸付(低所得者世帯)
- 高額医療費の貸付
- 保健福祉人材センター事業推進員の設置
- 老人福祉センターの管理運営
- 高齢者の生きがいと健康づくり事業
- 法外援護、歳末たすけあい運動
特に、ふれあい福祉相談センターでは、精神障害者からの相談件数が最も多くなっています。これは、相談機関が少ないことや相談機関をよく知らないことが原因だと考えられます。
また、相談内容については、将来への不安・世間への不満などが多くなっています。
これらの相談には、十分な時間をかけることや専門的な知識と技術が必要なので、相談体制の整備や相談員の資質の向上を図ることが必要です。
- 福祉教育・啓発活動の実施
やさしい心の醸成や住民への福祉啓発を図るため、主に次の事業を実施しています。- 秋田市社協だよりの発行(年1回 全戸配布)
- 福祉教育に関する広報紙の発行(年1回 小中学校向け)
- 秋田市社会福祉大会の開催(秋田市民生児童委員協議会と共催)
- 福祉教育推進事業の協力校への助成
- 市内社会福祉事業従事者スポーツ大会の開催
障害のある人も障害のない人も、誰もが安心して暮らせるまちづくりをめざすためには、幼少期からの心の教育、住民の福祉への意識高揚を図ることが大切です。
特に、福祉教育推進事業については、すべての学校が指定を受けるためにはかなりの年数がかかるという問題があります。また、指定校終了後もすべての学校で継続した取り組みが望まれます。
- 秋田市社会福祉協議会の組織と財政
事業および運営を円滑にすすめるために、組織の強化と財政の確立に努めています。- 理事会・評議会などの開催
- 組織・財政問題検討委員会の開催
- 会員の拡大
- 善意銀行の運営
平成12年を目標年として策定した「地域福祉活動計画」の達成のために、事務局体制の強化が必要となっています。
整備の方向
秋田市社会福祉協議会が平成12年を目標年として策定した「地域福祉活動計画」に基づき、より市民に密着した「目に見える地域福祉」を展開していくことができるように、市と社会福祉協議会が連携を図り、活動基盤・財政基盤を積極的に支援していきます。
- 住民の主体的な福祉活動の推進
小地域ネットワーク(支援体制)を全市的に形成するため、更に住民の福祉に対する意識を高め、その活動に参加できるよう研修会の開催や広報誌によるPRの強化を図ります。また、福祉協力員についても、全市への設置に向けて、住民の理解や協力を得るためのPRの強化を図っていきます。
障害者団体・グループを含め、福祉団体への活動支援を継続実施していきます。
障害者団体の事務局については、その団体の自主性を尊重するという観点から、社会福祉協議会で事務局を引き受けることはふさわしくないと思われますが、協力できる部分については支援するように努めます。また、障害のある人のための総合的な組織体制づくりについては、その必要性を各障害者団体と十分に協議をした上で検討していきます。 - ボランティア活動の振興
障害のある人の社会参加に協力するボランティアの育成と拡充に努め、その支援の強化を図るほか、障害のある人のボランティア活動への参加のため、受け入れ体制の整備と充実を図っていきます。 - 在宅福祉サービスの実施
福祉機器貸出事業については、需要の多い機器の増台、保管場所・維持管理費の確保、複数の拠点での貸出などを検討していきます。
また、移送車貸出事業では、サービスのPRを広報などを通じて行うほか、運転手についても幅広く募集して確保に努め、事業の充実を図ります。
「遊びリテーションくらぶ」については、ボランティアの育成と協力へのPRを強化しながら協力スタッフの確保に努め、参加定員の増を図っていきます。
さらに、新たな事業展開として、生活支援型給食サービスの実施、行政のサービスの対象とならないケースへの社会福祉協議会独自のホームヘルパー(訪問介護員)の派遣などを検討していきます。 - 総合的な相談・生活支援活動の実施
精神保健関係の相談に対応するためには、相談員の資質の向上および専門的知識や技術が必要なことから、精神保健に関する研修会やカウンセリング講習会を利用して、体制の強化を図っていきます。
また、精神保健関係の相談に十分な時間をかけられる体制およびその他の相談への対応も考慮して、相談員の増員を検討します。 - 福祉教育・啓発活動の実施
既存の事業は高齢者を中心とした活動になっていますが、今後は障害者施設への訪問や、障害のある人との交流を図りながら、互いの理解を深めるように努めていきます。
特に、福祉教育推進事業においては、年間指定校数を増やし、早期に市内の全小・中学校が福祉教育に取り組んでいけるように配慮します。
また、指定終了後の継続実施については、秋田市教育委員会と十分協議しながら、継続実施校の取り組みの紹介やアドバイスを行うなどの支援や協力をしていきます。 - 秋田市社会福祉協議会の組織と財政
会員制度・会費制度については、組織・財政問題検討委員会で協議するなど、今後も新たな事業展開、自主財源の確保に取り組んでいきます。
また、障害のある人の多様な要望に積極的に応じられるように、一層の事務局体制の整備を図っていきます。
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秋田市福祉保健部 障がい福祉課
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