平成27年シーズンの開始にあたり(2015年3月)

1、2月土曜日、日曜日、祝日限定開園の今シーズンの「雪の動物園」は、一万人を超すお客様にお出でいただき、雪国秋田の風物詩的な存在になりつつあります。雪の動物園を一旦終え、春開園準備を行う少しの間、お客様のお出でにならない動物園が続きました。いかにも寂しい一時でした。
3月21日(土曜日)から27年シーズンがいよいよ始まります。長年、動物園にいるせいか、いつしか「春の動物園開園」は自分なりの季語のようになっております。春の今時期は、ワクワクすると同時に、大変気ぜわしくさまざまな思いが錯綜する季節でもあり、どこか新年を迎えるような気分にも似ています。
動物園には嬉々とした甲高い子どもたちの声と家族の笑顔、また寄り添う若者が楽しげに語らう光景が似合います。動物との出会いの中、子どもは子どもなりに、大人は大人の思い、それぞれの感性で動物と向き合い、語らい、自身が生きている生き物であることを、感じる場であって欲しいなという思いで、秋田の動物園は運営されています。
大森山動物園のテーマは「動物と語らう森」です。そして、今年のポスターには「君の近くで」をキャッチコピーとして掲載しました。より近くでの動物たちとのふれあいを楽しんでいただきたいとの思いからです。さまざまな工夫を通じて人々がたくさんの動物、いのちと出会い、ふれあいができるように取り組んでまいります。
動物園の役割として種保存や教育的側面が前面に出る傾向にありますが、私ども大森山動物園が最上位に据える目標はあくまでも、動物との出会いとふれあいの中、人々に「幸せ時間と空間」を提供することだと思います。
その延長線上に動物の生態や命を学ぶ教育的機能が発揮されればいいし、また、主人公である動物たちの「いのち」が途絶えないように種保存にも力を注がなければならないと考えています。こうした種保存の技術などは必要に応じて域内保全に寄与することもあるでしょう。
大森山動物園は、動物を目の前にした人々が楽しみ、幸せな時間を過ごす場であり、時にほっとし、そして自身が目の前の動物と同じいのちを持つ生き物であることを思い起こす、人間性をリ・クリエートできる場の一つで有りたいなと考えています。今シーズンもご愛顧よろしくお願いいたします。
平成27年3月
大森山動物園 園長 小松 守
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