カピバラの湯っこ(2017年3月_2)
北国秋田の春を告げる風物詩の一つに大森山動物園春のシーズン開園がある。しかし、この時期はまだ肌寒く、暖かい地域に住む動物たちも一寸寒いなと言わんばかりの動きだ。人も動物も同じだ。そんな肌寒いシーズン開園を少しでもホットな気分にしてくれた嬉しい出来事があった。
秋田で95年続くお風呂設備会社の老舗(ホームテック株式会社)の四代目社長、進藤史明様の大森山動物園へのご支援である。大森山動物園での久々のカピバラ赤ちゃんの誕生をきっかけに、鳥インフル発生の影響で落ち込んでいる動物園を元気にできたらと「カピバラに湯っこ」のプレゼントを申し出てくれたのだ。
寒いとき暖かいお湯に入る幸せそうなカピバラをお客様がご覧になったら、皆さん幸せな気分になるであろうし、鳥インフルで落ち込んでいる動物園が少しでも元気になって欲しいし、また、秋田の元気にもつなげたいという思いから、カピバラ舎に給湯システム一式を寄贈してくれた。何度かの打ち合わせの後、寒い中ホームテックのスタッフが懸命に、スピーディーに設置作業を進めていただいた。
園スタッフもにわか湯船設置部隊に変身、不要資材や園スタッフの自宅の青竹の提供もあり、青竹配湯システムも完成し、手作り感のあるなかなかのものができあがった。かくして飼育員さんの夢でもあった「カピバラの湯っこ」ができあがった。
湯っこはカピバラの身も心も温めてくれていたようで、子カピバラたちはよほど気持ちがよかったのか、お湯につかりながらキュルルと声を出しながら耳かきしながらリラックスして湯船に横たわり、おばあちゃんカピは頭や肩の辺りに打たせ湯を当て、あたかも肩の凝りを癒やしているかのようで、見ている私たちも思わず微笑んでしまった。
お湯に入るカピバラは各地の飼育園で見られるが、雪国でのお風呂屋さんの暖かな支援で完成したホットなスプリングはそう滅多にあるものではない。「カピバラの湯っこ」は、カピバラとお客様へのホットなスプリング(春)の提供になってくれた。春開園したら「カピバラの湯っこ」をご覧になり、どうぞホットな気分になってほしいものだ。
(湯っこの「こ」は秋田弁で可愛らしく伝えるための方言でもある)
平成29年3月
大森山動物園 園長 小松 守
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