鳥インフル、見えない敵との戦い(2016年12月_1)
突如として発生した大森山動物園での鳥インフルエンザ問題は、見えない敵と向き合い戦っているようでもある。冬季、日本には北国から渡り鳥がやって来る。その中には見えない敵、インフルエンザウイルスを抱えやってくるものもいる。
秋田の動物園も警戒態勢をとっていたが、敵の襲撃を防ぐことができなかった。よりによって隔離飼育していたコクチョウがこの敵に襲われ斃(たお)されるとは思いもよらなかった。強毒の敵はコクチョウだけでなく同じ隔離舎のシロフクロウにも襲いかかってきた。今は、その終息に向けひたむきに対応するしかない。仲間の鳥の殺処分という苦渋の決断せざるをえなかった。敵の拡散だけは食い止めようと、時に心が押しつぶされそうになりながらも、園スタッフは日夜必死に対応している。
親しい旧知の動物園長の何人かと電話で話した。異口同音に動物園でのインフルエンザ対策はとにかく難しいと言う。現在の動物園での鳥飼育展示方式で絶対防止は、難しいというより困難であるとも言う。動物園は野外に存在する展示施設だからだ。今後の展示のあり方については、感染症と向き合うことにさまざまな観点からの研究が必要な時代になったと言えよう。
動物園の再開を待ち望み、応援する声もたくさん聞こえてくる。私たちは「動物と語らう森」で再び、家族が、恋人が、子どもたちが、にこやかに幸せ時間を過ごせる元の動物園になるように、今はこの問題を終息させることに全勢力を注ぐしかない。去らぬ嵐はない。見えない敵に負けぬように柔軟に対応しながら、頑張り抜きたいものだ。
平成28年12月
大森山動物園 園長 小松 守
今年亡くなった動物達を職員一同で慰霊しました
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