子ども、家族、動物園
子ども、家族、動物園
昨年のゴールデンウイークは、国内未経験のコロナ恐怖が広がる中、全国に出された緊急事態宣言を受け当動物園も休園を余儀なくされた。今年のゴールデンウイークは4月中旬以降、変異ウィルスの広まりや県内感染が目立つ中、やはり開園して大丈夫かといった心配があったが、一定の感染対策を講じることでゴールデンウイークでの開園を問題なく終えることができ、多くの人が動物園を楽しんでくれたようで、動物園人としてはホッとできたし、また嬉しかった。
県内や東北での感染者が毎日発表される中、外出しにくい空気感、さらにはこの時期には珍しく雨と寒さも加わり、入園者がいつもの半分以下とやや寂しくもあったが、密は避けられ良かったのかもしれない。
北国はこの時期、柔らかな新緑と暖かさが増し、屋外に出て楽しみたい気分に駆られる。そんな秋田のお出かけスポットの一つに大森山動物園がある。コロナ禍で閉じこもりがちな家族、特に動物に関心を持ち始めた小さなお子さんをお持ちの家族の思い出づくりの場として絶好の場のようでもある。今年のゴールデンウイーク、コロナ禍での閉塞感漂う中、動物園は家族の笑顔がとても似合う場であることを改めて感じることができた。
大森山動物園が行っているアンケートなどの調査では、動物園利用者の約7割が子ども連れの家族である。大人だけでの楽しみ方もあるが、なぜか家族連れが多い。動物の捉え方や動物観が異なると言われる欧米の動物園、あるいはアジアの動物園にいろいろ足を運んだ経験があるが、動物園のお客様は圧倒的に家族連れのパターンが多いのは共通している。
動物園が近くにあると大人は子どもを連れて動物園に行きたくなるのかもしれない。その理由は明確にというか、科学的にはよくわからないが、例えば、子どもに絵本でおなじみの動物を見せてあげたくなる、子どもの動物への関心や親和性が高そうなこと、親にとって動物園はどこか安心感が持てる場である、さらには親自身の幼児体験などなど、さまざまな理由があるのかもしれない。とにかく万国共通で動物園には家族連れが多い。
最近、動物福祉や倫理的側面から動物園の存在そのものを否定的に見る人々もいないわけではないが、世界中の動物園で親子、家族が集う様子を見ていると、人は動物園を人として豊かな心を育み成長していく上で大事な場の一つのようにとらえているようにも思えてくる。緑豊かなで開放的な公園で、いろいろな動物との出会いを楽しむことのできる動物園は、人間が豊かに生きる上で大事な場の一つなのかもしれない。
令和3年5月
大森山動物園 園長 小松 守
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