令和3年のシーズン開園を終えて
令和3年のシーズン開園を終えて
大森山のシーズン開園は11月30日をもって無事終えることができました。秋田の冬には珍しいほどの小春日和にも誘われ、平日にもかかわらず最後の動物との語らいを楽しもうとたくさんの方々が来園された一日になりました。
春の開園3月20日から11月30日の今シーズンは、コロナ禍2年目で、先の見えなかった昨年と違い、少し穏やかな気持ちで営業ができたかなというのが率直な感想でした。県外からの人流が制限され入園者数は期待するほど伸びはしませんでしたが、期間中に23万人もの来園者数を見たのは、今の時代、人は動物から元気をもらいたかったのかもしれません。
毎年恒例の「さよなら感謝祭」が営業終了直前の日曜日28日に行われました。園を支えてくれたいろいろな学校や団体、個人の方に加え、これまでコロナでおいでになれなかった高木美保名誉園長も東京からお迎えでき、厳かな時間の中、一年間に亡くなった動物を慰霊する献花などが行われました。
多くの動物(いのち)が暮らす動物園、誕生もありましたが、旅立つ仲間も多く、悲しい別れもありました。何といってもアフリカゾウのだいすけが、シーズン開園直前の3月上旬に亡くなった時には、悲しさと同時に、喪失感も大きなものがありました。昨秋から体調を崩し、飼育員、獣医さんらの懸命の介護で一時は持ち直し、頑張っただいすけであっただけに残念でなりませんでした。市政100周年を祝う事業の一つとして大森山動物園にやってきて、展示の核的存在として園の一時代を共に築き、発展に貢献しただいすけでした。
ただ、そのだいすけが絵となり皆さんとずっと語り合えるようになりました。秋田市内在住の日本画家、小山内愛美さんが、明るい大きな月を背景に、やさしい顔立ちのだいすけを描いた大作「月象」を寄贈してくださいました。ありがたいことです。だいすけはお月様とともに大森山を照らし続けてくれることでしょう。ビジターセンター壁面に展示していますので、ご来園の際に是非だいすけに語りかけてみてください。
一方、シーズン初日、新サル舎の完成を市長もお迎えしお祝いすることができました。昭和48年の大森山動物園開園当時からの老朽化したサル舎が大改修され、生まれ変わりました。屋内観覧室も整備され、全天候型のサルの生態見学ができるガラス展示室を備え、外展示場は2階建ての高さがあり、サルが思う存分遊ぶ姿も楽しめる施設として、シーズン中、来園者に楽しんで頂きました。新しく仲間入りしたフクロテナガザルに赤ちゃんが誕生するなど、動物たちもどこか、満足しているようにも思います。愛称「天空の楽猿」は来園者からの贈り物でした。
動物園は動物を見て楽しむ場、人の心をいやしたり、リフレッシュさせてくれる場ですが、いのちを学んだり、考えるきっかけにもなる場でもあります。そんな動物園を来年も楽しんでいただけるようにスタッフ一同取り組んで参ります。
シーズン中の多くのお客様のご来園に感謝しつつ、そして年明けの1月8日からの「雪の動物園」で再び喜んでいただけるよう、スタッフ一同でお迎えする準備を進めることをお約束し最終日のご挨拶とさせていただきます。また動物園でお会いいたしましょう。
令和3年12月
大森山動物園~あきぎんオモリンの森~ 園長 小松 守
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