雪国では絶大なお日様の力
雪国では絶大なお日様の力

秋田市を襲った正月早々の寒波と大雪で1月9日の雪の動物園のオープンは残念ながら延期となった。大雪は市民生活に大きく影響し、また山の動物園はさらに雪量が多く、スタッフの懸命の除雪作業も追いつかず開園がかなわなかった。楽しみに待っていたであろう子どもたちには申し訳なく思った。お天道様は大雪への埋め合わせなのか、その後は大荒れする日は少なく、16日には雪の動物園がオープンできた。24日の日曜日は雪国秋田では珍しいほどの快晴だった。園内を歩きながらお日様の力の大きさを改めて知った。お日様に元気をもらった動物園の動物と人の一コマを切り取ってみた。
雪上の陽だまりに群れるサル山のニホンザルたちは両手を広げ、あたかもお腹にお日様の熱を貯めているかのようなポーズを見せていた。トナカイは全身にお日様を受け、雪上で気持ちよさそうに目を細めながら口をモグモグと反芻に余念がなかった。フラミンゴは狭い部屋から解放され、翼を羽ばたかせながらのダンスで喜びを表現していた。厚い雪雲に閉ざされ秋田の動物たちは、南国では味わえない貴重なお日様の刺激を全身に受け、喜びを特別に感じるのであろう。冬のお日様は肌にぬくもりを、目には体を目覚めさす刺激をプレゼントしてくれる。冬のお日様は動物を元気にしてくれるパワーの源だ。
お日様は除雪で疲れ、家に閉じこもっていた雪国の人々に高揚感を与え、外に誘ってもくれる。動物園の動物たちも元気をもらっているに違いないと、出かけてくれた人がたくさんいた。人はお日様に心揺さぶられ、心をウキウキさせたに違いない。雪に閉ざされた北国の人だからこそ抱くことのできる感覚かもしれない。防寒着に身をくるんだ子どもが滑って転ばぬように手を引く家族が目に付いた。人々はお日様を浴び気持ちよさそうにしている動物の様子を見て心を癒し和ませる。寒さの中、子どもたちは自分と同じ存在の動物に興味津々だ。トナカイが座る柵前にしゃがんだ子どもが何か話しかけているようにも見えた。飼育員が用意してくれた干し草の上に座るライオンとガラス越しに寄り添う子どもがライオンの吐く白い息に自分と同じ何かを感じているようだった。こんな光景を見れたのもお日様のおかげだ。
令和3年1月
大森山動物園 園長 小松 守
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