小松名誉園長コラム
動物園長退任と名誉園長就任のご挨拶

先月4月30日をもち、大森山動物園での生活にピリオドを打たせていただきました。50年前、連休直前の5月1日土曜日、秋田市公園課で手交された採用通知を手に動物園に赴き、勤務を始めてから50年という月日が流れました。
動物から感動をもらい、獣医師として動物の生と死に向き合い、そして来園者の笑顔に支えられた50年でした。長く続けられたのは、園の先輩他含め素晴らしいスタッフに支えられ、共に動物園づくりの目標を追いかけ続けることができたからであり、私の誇りでもあります。
自然豊かな園内には希少動物(ゼニタナゴ)が生息する塩曳潟がある国内では珍しい動物園であり、スタッフの笑顔は秋田らしいやさしい空気感を醸し出し「動物と語らう森」をテーマに動物を間近に感じられる展示の工夫がちりばめられ、魅力的な教育的サービスが提供されるなど、多くの市民に愛され続けて来た動物園です。これらは大森山動物園の最大の特徴であり魅力でもあります。スタッフの努力は園の価値を高め、人の心を癒し、知らず知らずに人づくりにも貢献してきました。
動物飼育ではイヌワシの繁殖やキリンの健康管理トレーニング開発などで全国の動物園の先駆的な役割も果たしてきましたが、こうしたすべての活動、動物園づくりは園の各担当、総務、企画広報、施設の連携協力、チーム力で支えられてきました。さまざまな困難に直面した時でも、何とか舵取りができたのはチーム一丸による問題解決力だったと感謝しています。
今、動物園への求めは多様化し、イヌワシの野生復帰事業への協力などが求められるなど、ますます注目されていますが、上位にある目標、動物とのふれあいを通した生命や自然に誘う場としての動物園の存在を見失うことなく、いつも飽くなき挑戦者であり続け、大森山動物園を成長させてほしいものです。梶取るかこ(舵取り人)は変わりますが、人々に幸せを提供する動物園が取るべき航路の先は変わることありません。
退任日の朝、沼谷市長から名誉園長を委嘱されました。これからは園を外から応援、支援してほしいとのメッセージと受け取りました。動物園の発信役に挑戦しながら生きようと思います。皆様方からのこれまでのご厚誼に感謝しつつ、退任と名誉園長就任のご挨拶とさせていただきます。
令和7年5月
大森山動物園〜あきぎんオモリンの森〜 名誉園長 小松 守

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